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Pickupカメラレビュー

SIGMA 「500mm F4 DG OS HSM Sports」レビュー

シグマの「500mm F4 DG OS HSM Sports」について、巷で問題視されているフォーカスシフトの実情を皮切りに、いくつかのレビューをあげてきましたので、まとめ的な記事を用意しました。

なんと言っても、まずはお値段の話から

ゴーヨン(500mm F4)は、サーキットや飛行場で超望遠レンズを振り回す勢として一つの到達点でもあります(「標準レンズ」なんて言う人もいますけどね)が、その価格はカメラメーカー純正品となると一眼レフ用の10年前の設計のレンズで100万円クラス、最新のモデル(600mmですが)になると160万円なんて値札を平気でぶら下げています。もちろん「100万円でも160万円でも出すぞ!」という人は純正レンズを買っちゃえば良いと思います。でも、私は流石にちょっとねと思うのです。

希望小売価格 新品実勢価格 中古実勢価格
500mm F4 DG OS HSM Sports 800,000円(税別) 50万円台 30~40万円台
EF500mm F4L IS II USM 1,080,000円(税別) 100万円台 60万円台
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR 1,200,00円(税別) 110万円台 70万円台

シグマの「500mm F4 DG OS HSM Sports」は、定価は80万円ですので、それだけ見ると「それなら100万出して純正品を」というのもわかります(30万円弱を誤差のように考えるのはどうかと思いますが。。。) しかし、値引き率が高く実売は50万円台で購入することができます。

そう言うと、純正至上主義の方々から「少し足せばEF500mm F4L IS II USMの中古が買える!」とくるわけです。「EF500mm F4L IS II USM」の中古は60万円台ですが、新品に対して中古ですからね。ちなみにシグマ「500mm F4 DG OS HSM Sports」の中古は、探せば30万円台で良品があります。30万円台というとグッと現実味をおびてきますよね。

ただ、「30万とか50万円を払ってイマイチな可能性のあるレンズよりは、中古であっても性能的に安心できる純正レンズを60万で」というのはわかります。私も当初は「なんとか純正レンズを」と考えていましたし、購入する時はギャンブル感がありました。要はシグマの「500mm F4 DG OS HSM Sports」が純正レンズに引け劣らないレンズであるかどうか?ということですよね。

なぜ明るい大口径レンズが必要なのか?

そもそも、なぜ500mm F4などの大口径レンズが必要なのでしょうか?例えば最近だと純正レンズで500mm以上で比較的コンパクト、安価なレンズがあります。これらとの一番わかり易い違いは単純に開放のF値です。

まず、開放F値が大きいいわゆる暗いレンズはシャッター速度が稼げません。レーシングカーはタイヤが止まってしまいますので1/250程度のシャッター速度で流し撮り気味に撮りますし、旅客機もさほどシャッター速度は必要ありませんが、航空祭などでデモンストレーションする戦闘機は最低でも1/1000、できれば1/2000と言われています。このシャッター速度で露出を確保するのは難しいことが多いです。「最近は高感度耐性が高くなったためにISO感度を上げれば良い」というのも雑誌などでは目にしますが、実際には雑誌に書かれているほどISO感度を上げると、かなりきびしい画質になると思います。

それではレーシングカーの場合は必要ないのか?と言えば、サーキットの場合はまた別の事情があります。それは金網です。サーキットでは大抵の場合は金網越しに撮影することになるのですが、金網をボカして写らないようにする条件には長い焦点距離&明るいレンズが必要になります。なぜなら遠くにピントを合わせれば目の前の金網はボケやすくなりますし、小さいF値では被写界深度が浅くなりますので、やはり目の前の金網はボケやすくなります。この条件を両立できるのが大口径の超望遠レンズなわけです。

あと、デカくてかっこいい。

フォーカスシフト問題を始めとするAFの性能

動体を撮るためのレンズですので、AFの性能は非常に気になるところです。特にこの「500mm F4 DG OS HSM Sports」はフォーカスシフト問題で騒がれていますので気になる人は多いと思います。純正派の人が批判的にコメントする時に、まず最初に出てくる話ですね。下記の記事にて実写サンプルで検証していますが、はっきり言って「500mm F4 DG OS HSM Sports」にフォーカスシフトの問題は見当たりません。

AFはボディとレンズの協調動作ですので、社外品のレンズで大丈夫か?という不安を感じるのもわかります。まずはAF速度ですが、下記の記事にて動画が見れます。端的に言って爆速です。

AFの正確性はボディとの相性などもあるかもしれませんが、私のEOS 5D MarkIIIとの組み合わせだと、純正の「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」よりも歩留まりが良い気がするくらいです。

画質

画質に関しては近年のシグマのレンズは非常に高い評価を受けていますので心配はしていませんでしたが、下記の記事にて遠景と近景にて実写サンプルで検証していますが、画質に関しても、とても解像度が高く、素晴らしいと思います。

テレコンも超優秀

旅客機では500mmの焦点距離で足りることがほとんどですが、サーキット(特に金網を消すために長い焦点距離が欲しい)や、戦闘機では500mmでも物足りないところがありますので、私はx1.4テレコンを常用しています。「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」を使っていた頃もx1.4のキャノン純正テレコンをほぼ常用していました。

キャノン純正のテレコンも優秀なのですが、「500mm F4 DG OS HSM Sports」と組み合わせて使うシグマのx1.4テレコン「TC-1401」は明らかにキャノン純正「EXTENDER EF1.4xIII」よりも優れていると思います。キャノン純正の時はこれで十分と思いつつも、多少の画質の劣化を感じましたが、「500mm F4 DG OS HSM Sports」+「TC-1401」の場合は、ほとんど画質に劣化を感じません。AFも全く問題ありません。明るさが1段落ちるのを許容できる状況であれば「500mm F4 DG OS HSM Sports」は実質的に700mm F5.6のレンズとして常用できます。

「500mm F4 DG OS HSM Sports」+「TC-1401」について下記投稿でレビューしています。

実際に撮影したサンプル

そうは言っても実際の撮影で使えるの?ということで、サーキットでレースを撮ったサンプルです。ほとんどはx1.4テレコン「TC-1401」を装着した換算700mmでフェンス越しに撮影しています。

マウント変更サービス

シグマのレンズにはマウントの変更サービスがあります。「500mm F4 DG OS HSM Sports」となると税込みで39,600円と少しお高めの料金設定なのですが、元が数十万のレンズですので買い直すことを考えればリーズナブルにマウント変更できます。私も今はEOS 5D MarkIIIを使っていますが、レフ機の集大成といえるD850に買い換えたいなと思っていますので、とても安心感があります。

ゴーヨンとして標準的なサイズと重量

まず、手元に届いて驚くのが箱の大きさです。一緒に写っているのはx1.4テレコン「TC-1401」と「20mm F1.4 DG Art」の箱です。「20mm F1.4 DG Art」もF1.4の大口径レンズですが、このサイズ差です。とにかくデカイ。不安になるくらいデカイです。過去に所有していたタムロンの「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD」もデカイと思いましたが、ちょっと次元が異なる大きさです。入手する場合は防湿庫の心配と共に箱の保管場所も考えて置いたほうがよいでしょう。

サイズ 質量
500mm F4 DG OS HSM Sports 144.8 x 380.3mm 3,310g
EF500mm F4L IS II USM 146 x 383mm 3,190g
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR 140 x 387mm 3,090g

各社のゴーヨンと比較すると質量が少し重いのが気になりますが、概ね標準的なサイズと質量になっています。

このサイズと質量になると、持ち運びが心配になります。レンズ用のバッグが付属していますが、本レンズとカメラボディーしか入りませんので汎用性がありません。私は価格や可用性を考慮して下記のカメラバッグを入手しました。

防湿庫は下の記事で紹介した製品の下段に縦置きで入りました。

アクセサリが高い!

フードは地面に置くことを想定して先端に保護用のゴムがありますが、このゴムを交換することはできませんので、結局はフード(のゴム)に傷がつくのを避けるために荷物の上などに寝かせて置いています。フードは豪華なカーボン製ですので希望小売価格は税込みで82,500万円と非常に高額です。実売でも6万円程度はします。

ちなみにニコンは49,500円、キヤノン68,200円です。先端のゴムのみが交換できるようになっていれば良いのですが。。。

「500mm F4 DG OS HSM Sports」の光学的なフィルターは他社製品と同じく、マウント側に小径(46mm)のものを装着するようになっていますが、本レンズの大きなメリットの一つだと思うのは、前玉にプロテクターを取り付けることができます。個人的には経験上、レンズにはプロテクタをつけることにしています。接触などの心配を別にしても、前玉を剥き出しにしておくと汚れが堆積することは避けられません。そのたびに物理的に拭き取るとコーティングにダメージを与えると思うからです。キヤノンの中古を検討している時にもプロテクターなしは心配だなぁと思っていました。

ところが、このプロテクターがまた高額です。希望小売価格は税込みで55,000円です。上でべた褒めしたx1.4テレコンが48,400円ですよ!確かに規格外の大口径プロテクタになるのですが、ただのガラス板にこの金額は出せないなというのが正直な気持ちです。1.5万円くらいなら。。。

超望遠レンズの三脚座は短くて手持ちするときにも持ちにくいですし、アルカスイス互換でもありません。これも純正で長くてアルカスイス互換の三脚座が用意されていますが、やはり高額です。希望小売価格は税込みで30,800円もします。

別段コストがかかるものでもないと思いますので、最初からこれにしておいてくれれば良いのに。ただ、三脚座は安価に良い互換品が手に入りますので交換しました。

こういった純正アクセサリの価格は総じて大手カメラメーカーよりも高額で、セコいな~という後味が残ります。

常識的な出費で憧れの大砲を!

「500mm F4 DG OS HSM Sports」は発売時にフォーカスシフト問題で躓いてしまい、不人気レンズとなってしまっているようですが、説明したように全くの杞憂です。根強い純正至上主義も手伝って今ひとつユーザーが増えない、ユーザーが増えないからレビューも増えない、レビューがないから買うのに躊躇するという悪循環なのでしょう。

プロによるレビューは歯に物が挟まったようなものが多いのですが、カメラメーカーの息がかかった人達なので「純正なんか高い!シグマで十分!」とは言えないのでは。

何度も言いますが「100万200万どんとこい!」という人を止める気はありません。純正レンズを購入してください。というか、そういう人達はこの記事を読んでいないと思いますし。しかし、私のようになんとか無理してゴーヨンを!という人には「500mm F4 DG OS HSM Sports」をオススメします。純正のゴーヨンを所有して撮り比べている訳ではありませんので、純正レンズと同等かどうかはわかりませんが、少なくとも「500mm F4 DG OS HSM Sports」で撮っていて不満を感じることはありません。

私はレフ機にこだわりがある訳ではなく、できれば動体用のカメラもミラーレスカメラに買い替えたいと思っています。最近のミラーレス機は連射時のEVFの遅延問題も克服していますし、店頭で試しても問題なく動体を追えると思います。そういったデメリットを克服してなお、カメラの設定がEVFにリアルタイムに反映されるというのは大変なメリットです。レフ機だと本当に露出設定が合っているのか試し撮りしていちいちモニタで確認する必要がありますからね。

個人的にはサードメーカーも含めたレンズのラインナップを考えればEマウントに統一したいので、シグマには「500mm F4 DG OS HSM Sports」のEマウント版をぜひ発売して欲しいです。先に書いたように、ミラーレスには常識的な価格にゴーヨンをはじめとする大口径単焦点がありませんので、売れると思うのですよね。

時代的にはEマウントで「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」あたりが、価格や重量面で幸せになれるのかなぁとかとも思うのですが、ゴーヨンであればx1.4テレコンで700mm F5.6になりますし、やっぱり一度は大口径単焦点を振り回したいじゃないですか!

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