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カメラレビュー

設置スペースで選ぶ トーリハンの薄型防湿庫「NT-103-MII」レビュー

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中古で販売されているレンズの説明には必ず「カビは〜曇りは〜」と書かれているようにレンズに湿気は大敵です。特にレンズのコーティングはカビの大好物だそうです。今までは大きなタッパーなどに防湿剤と一緒に入れていたのですが、少々お高いEOS 5D MarkIIIやレンズの購入を期に防湿庫を用意しました。薄型の防湿庫、トーリハン「NT-103-MIII」のレビューです。

なぜ防湿庫を購入したのか?ドライボックスではだめなのか?

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この記事を読むような人であれば湿気やカビがレンズにとって致命的であることは説明の必要もないと思います。湿気の多いシーズンの保管はもちろんですが、外で撮影していれば小雨などでどうしても多少濡れる事はありますが、そんな時でも防湿庫に入れておけば安心できます。カビは湿度管理だけでは排除することはできないらしく、防湿庫は光触媒によってカビや菌なども排除してくれます。カメラやレンズは高価なものですのでやはり安心感は大切です。

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ではドライボックスではだめなのか?となると思います。密閉度の高い容器に防湿剤と防カビ剤と一緒に入れておけば良いではないか?というのは誰しも思うと思いますし、私も今までは大きな容器に防湿剤と一緒に入れていました。

しかし防湿剤や防カビ剤は定期的に交換する必要がありますし、機材が増えてくると大きな容器が複数必要になり、結局はドライボックスを複数買えばそれなりにお金も掛かります。

それに大枚をはたいて買ったカメラやレンズをしまい込んでしまうのはもったいないと思います。せっかくですからガラスのケースに飾っておきたいと思いませんか?ケースに入れてしまい込んでいると出すのも億劫になりますしね。

なぜトーリ・ハン「NT-103-MII」を購入したか?

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まず巨大な望遠レンズがありますので、それなりの容量が必要であることが前提なのですが、もう一つ注目したのが設置スペース、特に奥行きです。

カラーボックスの隣に並べて設置したいのですが、カラーボックスの奥行きが30cm程度であるのに対して、ほとんどの防湿庫は奥行きが30cm以上です。それなりの容量があって奥行きが30cmの防湿庫は私が調べた限りではトーリ・ハンの薄型シリーズ「NT-103-MII」しかありませんでした。

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ちなみに性能的には除湿能力や消費電力がありますが、除湿能力はシステムの仕組みが同じようなものなので差はないと思いますし、過度な湿気をとってくれれば十分なので気にするほどの差はないと思います。消費電力は後述するように極端に低いのでこれも有意な差はでないでしょう。

薄型の為、少々安定性に欠けますので、なるべく重量のある望遠レンズなどを下段に置くようにしています。

トーリ・ハン「NT-103-MII」の収納力

薄型ということで収納力が気になる人は多いでしょう。カメラやレンズを載せる棚板はメーカーの寸法を見るとそれほど大きくないように感じます。

1段にボディ2台が余裕をもって収納可能

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1段にはレンズを装着したボディー2台が余裕をもって収納できます。

タムロンの150-600mmも収納可能

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庫内の左右はほぼ棚板で一杯ですので、棚板の横幅393mmが最大サイズです。タムロンの150-600mmは余裕で入ります。

100-400mmや70-200mm F2.8などの純正ズームレンズは縦置き可能

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今は純正のEF100-400mmも横にして置いていますが、これだと1段を1本が専有してしまいます。今は良いのですが、将来的に機材が増えた時にはこれを縦に収納できないか?は気になるところです。棚板の寸法的には無理なのですが、実は棚板とガラス戸の間にはかなり隙間が空いていますので余裕をもって縦置きできます。

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EF100-400mmはカタログ値では193mmですが、前後キャップをつけると220mm程度になります。実測で255mm程度までいけそうですので、5mmは余裕と考えて250mm以下であれば縦置き可能と考えて良いと思います。70−200mm F2.8も最縮長は6mm長いだけですので同様に縦置き可能です。

これらのレンズが縦置き可能であれば、これ以上の奥行きがあっても持て余すだけだと思います。

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棚板はもう1枚欲しいところですが、別売りで手に入りますので機材が増えてきたら購入しようと思います。最下段(タムロンの150-600mmが入っているところ)は保護シートが貼られておらず塗装された金属が剥き出しですので、ダイソーで購入した赤いフェルトをボール紙に雑に貼り付けて敷いています。

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付属の湿度計の精度

付属の湿度計の精度がどの程度か興味がありましたので、他の湿度計と比較してみました。

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結構差がありますね。では多数決を取るために今度はデジタルタイプを用意してみます。

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、、、、後日同じものをもう一つ用意。

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同じ製品は同じくらいの湿度を示しますが、3種の製品はバラバラですね。少しググってみると湿度計とはそんなものようです。メーカー公称値では誤差5〜7%との事ですので付属の湿度計を信用して、これがグリーンの範囲になるように出力調整すれば良いと思います。ちなみにLとHはそれぞれ「低湿度」「高湿度」ですので除湿機能の出力とは逆です。

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庫内外を比較すれば、もちろんちゃんと除湿されています。

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トーリ・ハン「NT-103-MIII」の防湿性能と電気代

防湿庫は除湿剤によって除湿して、ある程度湿気を吸収したら庫外へ放出します。その時にヒーターを使用します。つまり除湿中は電気を使わず、電力を消費している時は除湿していない事になります。これを目標となる湿度になるまで繰り返しますので湿度が下がるのには時間がかかる訳です。

最初は冷蔵庫みたいな音がするのかと思っていましたが、このような仕組みですので基本的に「無音」です。

さて、気になる電気代です。まずはツマミを丁度真ん中くらいに設定してみます。出荷状態ではこの設定になっています。

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湿度が目標値付近で安定している時は放出は行わないようで、消費電力も0ではないはずですが計測不能なくらいです。防湿庫は密閉度が高いので一度湿度が下がってしまえばその後開けるまではほぼ電力消費は0と考えてよさそうです。扉を開ける時も意外と空気は入れ替わらないようで、最初は機材の出し入れを想定して30秒程度開放していましたが、1〜2%程度しか湿度が上がらなかったためテストで空気を入れ替える時はうちわで扇いでいます。

しかし換気しても、なかなか防湿剤のキャパシティを満たすことができないようで計測できるほどの消費電力や電気代が発生しません。そこで痺れを切らして扉を開けた防湿庫の前で加湿器を稼働させて庫内の湿度を強制的に上げました。それを繰り返して通算6日目に遂に電気代を計測する事ができました。しかし消費電力は0.00kWh以下で計測できません。そのまま続けて8日目にやっと0.01kWhの消費電力を計測。謎の感動に包まれました(笑)

そのまま2日ほど放置して、デジタルの湿度計で54%、防湿庫に備付の湿度計で48%で安定しました。防湿庫は密閉度が高いため一度湿度が下がるとその後は計測できるほどの電気代は掛かっていません。

次にツマミを低湿度(最大稼働)にしてみました。

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時間が勿体無いので今回は最初から加湿しましたが、大体30%の湿度で安定しました。本来は目標湿度に達すれば放出は行われない=電気代は掛からないはずなのですが、安定してからも1日1円ちょいの電気代がかかっています。防湿ユニットがもっと低い湿度を目指しているのか?最大出力を指定されているのだから湿度に関わらずユニットが可動し続けるのか?はわかりませんが、この1日1円ちょいというのが本機の最大の電気代と考えて良いでしょう。しかし30%の湿度はカメラやレンズにとっても適正値を下回る湿度です。

最初は真ん中くらいで、季節の変わり目などに様子をみて備付の湿度計で40〜50%近辺になるように調節すれば良いと思います。

電気代についてはメーカー公称値の月30円というのは実働に沿った偽りのない値のようですので、まったく気にする必要はないでしょう。

まとめ

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高価なレンズにカビや曇りが発生するとメーカー修理となってしまいます。一発で防湿庫を買うくらいの金額がかかってしまいますので、防湿庫の価格は保険としては悪くない金額だと思います。すぐに取り出せるのもメリットは大きいと思いますし、やはり高いお金を払ったお気に入りのカメラやレンズがガラスの向こうに綺麗に並んでいるのは気持ちが良いものです。

ではまた!

201702_03_910 その写真、本当にスマホで良いの?スマホ、コンデジ、ミラーレスを比較しました(前編)