PS5ではレイトレーシングをサポートしたことで、光の反射などの表現が正確になっています。今回はPS5版のグラフィックがPS4版と比べてどのくらいキレイになっているか?また、PS4版のゲームソフトをPS5でプレイするとキレイになるのか?など、PS5のグラフィック性能にフォーカスしてみたいと思います。
驚異のリアルタイムレイトレーシング
PS5ではレイトレーシングをサポートしています。レイトレーシングというのは光源から出た光がいろいろな物に反射して視点に届くまでをシミュレートしますので、非常にリアルな映像を作成できます。光の反射をシミュレートしている訳ですのでガラスなどへの映り込みを正確に表現することができます。しかし1ドット1ドットを視点から各光源まで反射を計算する訳ですので膨大な計算量になります。私が若い頃はレイトレーシングと言えば1枚の画像をレンダリングするのに数日はかかるというのが相場でしたので、4K画像の60fpsでそれを実行するとは驚愕以外のなにものでもありません。
下の2つの動画は、上の画像の通りを向こう側に歩いていく様子です。ガラスへの映り込みに注目してください。
PS4版でもなんとなく映り込みらしきものを表現していますので、PS4版だけを見れば「なにか問題があるのか?」と思いますが、PS5版はガラスのこちら側を正確に反射させているのがわかります。掃除をしている清掃員もバッチリ写り込んでいて驚きます。全体にキラキラ感がありますよね。
では、PS4版では物足りないかと言えばそんな事もなく十分にきれいです。
例えば上の2枚はどちらがPS5版でどちらがPS4版かわかるでしょうか?PS4版でも雨に濡れた路面の反射なども十分にそれっぽく表現していますし、反射以外の表現はあまり差はありません。検証のためにPS4版とPS5版の両方をインストールしていますが、切り替えるのを忘れてPS4版だと気が付かずにプレイしていたなんてこともあります。ちなみに下がPS5版です。
PS4版のゲームをPS5でプレイするときれいになるのか?
まだまだPS5版のゲームは少ないですし、PS4のゲームも遊べるというのがPS5の大きなセールスポイントです。PS5で動かしてもPS4版のゲームでは当然ながらレイトレーシングには対応していないのはわかりますが、従来のPS4のゲームをPS5でプレイした時にグラフィックがキレイになったりするのかというのは気になるところです。
まずはウォッチドッグス レギオンからです。比較のスクリーンショットはクリックで原寸の実画像を表示することができます。
上から①PS4、②PS5でプレイしたPS4版、③PS5版です。俯瞰でみるとあまり違いは感じられませんが、実はPS5でプレイしたPS4版は4Kでレンダリングされています。解像度も①ではFullHD(1920 x 1080)ですが、②③は4K(3840 x 2160)となっています。
一部分を拡大してみると、
左から①②③です。中央の文字を見ると、①PS4よりも②PS5でプレイしたPS4版の方が、②よりも③PS5版の方が高精細になっているのがわかります。
さて①から③の画像を比べてみるとわかりやすい違いが一つありますよね。
上の画像の四角で囲った部分の文字が③PS5版のみ表示されています。「PS5版のみに表示されるオブジェクト」があるのか?と思うかもしれませんが、そうではなく「PS5版では距離によって省略されるオブジェクトがより遠くから描画される」ということです。①②のPS4版でもここから少し前にでれば表示されます。
PS5版でこのオブジェクトがギリギリ表示される距離は下の画像の位置です。
ここから1歩下がると消えます。かなり差がありますね。
次に、ガンダムバトルオペレーション2です。ガンダムバトルオペレーション2にもPS5版が存在します。同じく、上から①PS4、②PS5でPS4版をプレイ、③PS5版です。
こちらも②と③は4Kの解像度で描画されています。しかし一見するとどれも大差は無いように見えますよね?一部分を拡大してみると
一応、解像度の分だけPS5でプレイしている②③は①に対して若干ですが線がシャープになっていますが、先の太さやギザギザ具合は変わらないように見えます。②と③では本当に全く同じですね。オンライン対戦ゲームですので「PS5だけ遠くの敵が判別しやすくてずるい!」みたいな事にならないように配慮しているのかもしれません。
ファイナルファンタジー VII リメイクもPS5版はまだ発売されていませんが、PS4版をPS5でプレイした時には4Kでレンダリングされています。上がPS4で下がPS5です。
解像度の関係か、若干PS5の方がシャープかな?でも有意な差はありません。
グランツーリスモ SPORTの場合もPS5版はありませんので、上がPS4、下がPS5でプレイしたものです。こちらは意外と差があるように見えます。
PS4単体で見ると十分にキレイですが、PS5と並べてみるとPS5のほうがシャープでボディの艶感があります。ボディの艶は光のあたり方にもよるかなと思いますが、カーボンの模様やライトディテールを拡大してみると、
あきらかに右のPS5の方が高精細です。関係ありませんが、FT-1かっこいい。
モンスターハンターワールドもPS5版はありませんので、PS4版をPS4とPS5でプレイした時の比較です。上がPS4、下がPS4版をPS5でプレイしたスクリーンショットです。
拡大してみれば、PS5の方が明らかにシャープで高精細なのですが、こういったあまり反射がなくてごちゃごちゃした映像だとパット見の差は出にくいですね。
PS4版のゲームをPS5でプレイした場合は、確認した範囲では全て4K解像度でレンダリングされていますし、大抵のゲームは高精細にレンダリングされます。
有り余るパワーで高精細なグラフィックでも高FPSで安定
PS5でプレイすると単純にグラフィックがキレイになるだけはありません。この動画はモンスターハンターワールドをPS4でプレイしたものとPS5でプレイしたものを比較しています。PS4のビデオクリップの解像度に合わせていますので動画は720Pになっています。
PS4では高い頻度でガクっと引っかかりがありますよね。レンダリングが間に合わなくて処理落ちしています。しかもフレームレートは30FPSです。
ところが、PS5では「グラフィックス優先」の設定(PS4では選択できない)でも引っかかる事なく滑らかに回転しています。この差は結構大きいですね。
このようにPS5では確実にPS4よりもグラフィックが良くなりますが、実際のところはPS4でも十分にキレイですので、現状ではその差は限定的かなと思います。今後さらにPS5のパワーを引き出すゲームが登場するのが楽しみですね。特にPS4では圧倒的にパワー不足だったVRに期待です。