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【安くて面白い!】Androidナビ「ATOTO S8」ファーストレビュー

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以前から気になっていたAndroidナビを入手してみました。Androidアプリがそのまま動くこともあり、工夫次第で色々なことが出来そうです。今回はAndroidナビのデファクトスタンダードとなっているATOTO S8をレビューしていきます。非常に多機能かつ拡張性に優れていますので、数回に分けて記事にしようと思います。今回は初期セットアップなどさわりの部分を紹介します。

S8シリーズの最新バージョン「ATOTO S8 MS」

10インチのフローティングタイプにも興味があったのですが、私の車ではシフトレバーなどとの位置関係でスペースが確保できないため、2DINに収まる7インチのモデルにしました。ATOTO S8シリーズにもいくつかバリエーションがあるのですが、上位モデルで採用されているQLEDのディスプレイや4G LTE通信に対応しながら、安価に抑えられたATOTO S8 MSというモデルをチョイスしました

S8 MSのMSは「Mass Popularization」の略で、大衆普及型という意味です。名前の通りコストダウンした普及型なのですが、安価なモデルをコストダウンしてさらに安価なモデルにしたという訳ではなく、上位モデルをコストダウンして、上位モデルの機能を持ちながら下位モデル並みの価格を実現したモデルのようです。実際、私が見た限り、上位モデルとできることは変わらないように見えます。また、S8 MSは現在のATOTO S8の最新バージョンであるという事も決め手になりました。

S8 MSには、物理ボタンのモデルもあり、私は音量や選曲は物理ボタンの方が良いのですが、こちらのモデルは何故かモニタが下位モデルと同じIPSモニタでしたので、QLEDモニタの本機を選びました。物理キーは別途、汎用のステアリングリモコンを後付けしようと思います。

地味にうれしい奥行が短い筐体

私の車は2DINの取り付けスペースの奥行きが非常に短く、従来型のナビを取り付ける時には隙間から手を入れて配線を左右に分け、それでも最後は無理やり押し込むような取り付けとなり、何度か断線したりと頭を悩ませていました。ATOTOに限らずCDやDVDなどのディスク再生に対応していないディスプレイオーディオなどでは、筐体の奥行きが非常に短くて助かります。

また、ATOTOではこのスペースに設置できるアンプもラインナップされています。

他にもATOTOの製品には多数のオプションがあり、チョイスする楽しみがあります。バックカメラやドライブレコーダー、後席用のモニタに映像を出力するためのアダプタなどの定番オプションから、タイヤの空気圧センサー、OBD2から車両情報を取得してTorqueアプリに表示するものまで多岐に渡ります。

バックカメラの画像を加工して上から見下ろした映像を映し出すアラウンドビューに対応したバックカメラも購入しましたので、別途レビューしたいと思います。

ATOTO S8の取り付けはDIYでできるか?

Google検索で「atoto 適合車種」なんてサジェストが表示されますが、適合車種もなにもDIN規格のカーナビ・カーオーディオが取付できる車両であればATOTO S8は取付できます。配線や機能は完全に汎用品のそれで、物理的に取付スペースがあるかどうかだけの問題です。いわゆる1DIN、2DINというタイプです。10インチのモデルは1DINで取付できますが、7インチの埋め込みタイプは当然ながら2DINのスペースが必要です。大抵の車種には純正オーディオスペースに2DINタイプを取り付けるためのスペーサーが売られています。ただ、純正オーディオ以外は物理的に取付できない車種もあります。見れば一目瞭然なのですが、わからなければ知っている人に聞いたりネットで調べたりしましょう。DINタイプへの変換スペーサーはオートバックスなどのカー用品店にもありますので、カー用品店で聞いてみるのも良いと思います。

取付用の配線は一般的なカーナビ・オーディオと基本的には変わりありませんので、従来型のナビを取り付けたことがある人であれば、簡単に取り付けできます。初めての人でも常時電源とACC電源の意味が分かる程度の知識があればDIYで取り付けできると思います。カーナビの配線の色というのは大体共通になっているようで、車種別の取付キットの配線(元々別のナビを取り付けていた)の色とATOTO S8側の配線の色は同じでした。一応ラベルを見て確認しながら接続していきましたが、結果的には同じ色の配線同士のギボシを挿し込むだけでした。配線の数は多いので最初はひるむと思いますが、今はネットで調べることもできますし意外と簡単ですよ。

ATOTO側の配線はギボシ端子になっています。車両側は純正オーディオに接続するための専用コネクタになっていますので、そのコネクタからギボシ端子に変換するアダプターが必要です。純正のオーディオになんて戻すこともないでしょうし、切ってギボシを付けてしまえば良いとも思うのですが、取付用の金具や前面の隙間を埋めるためのパネルなども必要ですので、いずれにしろ車種別の取り付けキットは必要でしょう。元々付いていた社外品のナビ・オーディオから付け替えるということであれば、そのまま取り付けできるはずです。このあたりはATOTOだからという訳ではなく、社外品のナビ・オーディオに共通した話です。

ちゃんとした日本語の取り付けマニュアルも付属しています。配線にも日本語でタグが付いてますのでマニュアルなんてなくても見たまま配線すれば良いのですけどね。

主な配線は一般的なカーナビなどと変わりなく、常時電源、ACC電源、アース、イルミネーション、パーキングブレーキ(繋ぎませんけどね。笑)、スピーカー(前後左右)、ラジオパワーアンテナ、ステアリングスイッチx2、背面カメラからの切替信号、アンプへの電源です。

あとはインターフェイスとしてUSBポートx2、アンプへの出力、サブウーファーへの出力、リアカメラ入力、フロントカメラ入力、ラジオアンテナ、マイク入力、Wi-Fiアンテナ、4G LTEアンテナ、4G LTE SIMソケット、GPSアンテナ、ビデオ入力、オーディオ入力などが接続されます。

後席用モニターなどへの外部モニターへの出力は専用のアダプターをUSBポートに接続するようになっています。S8の画面をそのままミラーリングする訳ではなく、ちゃんと再生中のコンテンツのみを出力しますので、前席ではナビゲーション画面を表示しながら、後席ではキッズがアンパンマンを観賞することができます。

ATOTO S8のレジュームでバッテリーが上がってしまうのが心配?

車両のキーを抜いている時(最近はキーは挿さないですね。。。車両のスイッチがOFFの時です)でも時計やナビ・オーディオの設定の保持、キーレスのサーチなどで車は常時電源から電力を消費しています。この電流値を暗電流というのですが、長い間エンジンをかけていない場合には、この暗電流によってバッテリーが上がることがあります。ATOTOにはレジューム機能がありますので、ACC電源がOFFの時には自動的にスリープ状態となるのですが、ネットを見ていると、この時の暗電流を心配している声があります。中にはバッテリー上りを心配して常時電源もACC電源に繋いで、レジュームを使用せずに毎回Androidを起動させている人もいるようです。

マニュアルではレジューム時の暗電流は「10mA未満」と明記されています。実際に計測(車両に取り付ける前に部屋でバッテリーを繋いで動作確認中の写真です)してみたところ6.5mAほどでした。暗電流は車全体で30~50mAが正常と言われていますので、全く問題のない値です。ATOTO S8の暗電流でバッテリーが上がるようであれば、他のカーナビを取り付けても同じことになるでしょう。

基本スペックとベンチマーク

ATOTO S8 MSの基本的なスペックや性能をチェックしていきます。SoCは中国の半導体メーカーUnisocのUIS7862です。Unisocは仕様を一般公開していないようで、ググっても詳細は今一つわからないのですが、GeekBenchの表示を見るとARMアーキテクチャのCPUのようです。激安スマホやタブレットによく採用されるようになりましたね。Unisoc。動作クロック1.8GHzの8コアCPUです。4.0GBのメインメモリーと32GBのストレージを搭載しています。

初期状態でのストレージ使用量は11GBほど。8.7GBをシステムが使用しています。ストレージは少々心もとない感じもしますが、スマホのように写真を撮ったり、ゲームをインストールしたりする訳ではありませんので、のこり20GBもあれば十分でしょう。どうしても足りなければUSBポートにUSBメモリーを挿すことができます。

実際にはナビや音楽再生アプリがスムーズに動作すればそれで良いのですが、せっかくOSがAndroidですので、スマホやタブレットをレビューするノリでベンチマークをとってみました。

Geekbench 6ではシングルコア432、マルチコア1449です。同等のSoCだとSnapdragon 710と同程度の値です。

面白がって、3DMark Wild Lifeも走らせてみました。

結果は512とかなり低く、安価なスマホ並みの値ですが、実際にいくつかゲームを動かしてみると意外にスムーズに動きます。原神はストレージ容量が足りなくて起動できませんでしたが、プロジェクトセカイや崩壊スターレイルなどを動かしてみました。

これが思いのほか無理なく動いている感じです。モニタの解像度が1024×600(7インチ版の解像度、10インチ版は1280×720)と低めであるので負荷も低めなのでしょう。

まぁ流石にゲームをプレイしようとは思いませんが、ゆるキャン△も動きますので、野クルがわちゃわちゃとキャンプしているのを横目にドライブもできます(笑) あ、運転中のよそ見は厳禁ですよ!!

Androidタブレットのような初期セットアップ

Androidですので、Googleアカウントでログインすることになります。当然ながらブラウザのブックマークやパスワードなども同期させることができますし、ネットに繋がっていればGoogleドライブ経由でファイル共有することもできます。

ATOTO S8には初期状態では日本語入力ができるIMEがインストールされていませんので、まず最初にAndroidの標準と言えるGboard(Google日本語入力の後継アプリ)をインストールするのが良いでしょう。

ATOTO S8はGooglePlayストアがプリインストールされていますので、Androidスマホやタブレットと同じようにアプリをインストールできます。もちろんGboardも普通にインストールできます。

ATOTO S8にはBluetoothが2系統搭載されています。1つは従来のナビのようにスマホと繋げて通話や音楽を再生するためのもの、もう1つはODB接続や空気圧センサーなどのオプションとの接続用ですが、Bluetoothですので、普通に他のBluetooth機器を接続することができます。

初期のセットアップ時にはアカウントのメールアドレスなどを入力したりするのが面倒ですので、私はBluetoothキーボードを接続しました。スクリーンショットではBluetooth2に接続していますが、Bluetooth1に接続することもできますし、USBポートに繋げばUSB接続のキーボードも使えました。

まるで、タブレットPCのようですね。

また、Googleアカウントでログインするという事は、パスワードなどの機密情報にもアクセスできることになりますので、スクリーンロック機能もあります。この機能を有効にするとレジュームから復帰時にPINの入力画面が表示されます。

では、車に乗るたびに毎回PINを入力する必要があるのか?と言えばそんなことはありません。

「Bluetoothでロック解除」でスマホを登録しておけば、レジュームから復帰した時に、最初はPINの入力画面が表示されますが、2~3秒後にスマホとBluetooth接続された時点で自動的にロック解除され、ホーム画面もしくは起動していたアプリが表示されます。

先にも少し触れましたが、ATOTO S8は通常のナビと同じようにスマホとBluetoothで接続して通話したりBluetoothでの音楽再生にも対応しています。スマホとの接続は電話アイコンのアプリを起動して接続します。左下の「スキャン」をタップすると接続する機器のサーチが始まります。

この電話アプリ(「ブルートゥース」という名前のアプリ)で、接続したスマホで電話番号や電話帳を選択して電話をかけることができます。電話がかかってきた時にS8で自動的に電話をとるか?といった設定もできます。ちなみにスマホ内の音楽データをBluetooth再生するのもこのアプリを使用します。

通話時に使用する外部マイクも付属しています。このマイクは通話の時だけでなく、Googleアシスタントへの音声入力にも使用できます。Googleアシスタントは筐体の左下のマイクマークをタッチすることで呼び出すことができます。別売りのステアリングスイッチのボタンでも呼び出すことができます。

また、Androidですので、設定で有効にすれば、筐体のボタンをタッチすることなく「OK Google」で呼び出すこともできます。予定や天気を聞いたりできますし、アプリを音声で起動したり、YouTube Musicで曲名を指定して再生したりできます。このあたりはAndroidスマホやタブレットとなんら変わりありません。

また、設定にはナビの案内音声時にオーディオの音量を下げる「ナビ&メディア用オーディオミックス」やバック時にオーディオをミュートする「リバースミュート」といったナビゲーションシステムならではの設定項目もあります。

「混合比ってなによ?燃料噴射量でも補正できるのか?www」とか思ってしまいますが、これはナビの音声案内時にどれくらいオーディオの音量を下げるかの設定です。日本語でOKな感じではありますが設定としてはきめ細かいですね。このあたりがスマホやタブレットをナビとして使うのとの違うポイントです。

ナビ用にカスタマイズされたホームアプリ

OSはAICE UIというAndroidをカスタマイズしたものが搭載されています。基本的にはAndroidですが、ナビの案内時にオーディオの音量を下げたり、リバースギアに入れたときにバックカメラに切り替えたり、車の電源を切ったときにレジュームして次回起動時に数秒で復帰するといった、ナビゲーションシステムならでは制御を行うなどのカスタマイズがされています。

ホームアプリも車載用にアイコンなどが大きめになっていますが、基本的にはAndroidのホーム画面ですので、アイコンもウィジェットも自由に配置することができます。左上の△○□はそれぞれ「戻る」「ホーム」「起動中アプリの切り替え」ボタンです。

起動中アプリの切り替えボタンをタップすればお馴染みのアプリ切替画面になりますし、対応しているアプリを左右に分けてマルチウインドウにすることもできます。

ただ、Yahoo!カーナビやmoviLinkなどはアプリ自体がマルチウインドウに対応していませんので、有用性は微妙と言えば微妙ですね。

スマホなどと同じように複数のホームを左右にフリックすることでスクロールさせて切り替えることもできます。その際に、下部の6つアイコンとドロワーを開くボタンはスクロールせず固定されています。これらのアイコンはドロワーのアイコンを長押しすることで配置することができます。このあたりの操作感もAndroidですのでスマホやタブレットとなんら変わりありません。

ホームの空きスペースを長押しすることで、ウィジェットなどを選択して自由に配置することもできます。

壁紙を変更することもできます。

標準でもおしゃれなものが用意されていますし、好きな画像ファイルを選択することもできます。愛車や、自分で撮った風景写真などを貼り付けて個性的なホームを演出できます。

この標準のホームではアイコンの大きさを変えたり、ここで紹介しているスクリーンショット以上の数を配置することはできませんが、ホーム自体を他のホームアプリにすることができます。

AGAMA Car LauncherやCar Launcherなどの車載用に作られたホームアプリもあります。面白いのはATOTOの操作マニュアルでこれらを「ユーザーが推奨するホームランチャーアプリ」として紹介していることです。このあたりの変なプライドなどなくユーザーの使い勝手を優先しているところは好印象です。普通は自社製品以外をマニュアルで紹介するなんてありませんよね。

これらの車載用のホームアプリも面白いと思いますが、個人的にはATOTO標準のホームアプリや、標準以外だとスマホでも愛用しているNova Launcherが、ひと目見てAndroidであることがわかって良いのではと思います。ウィジェットなどの選択で個性的な見た目を作れるのでは思います。

ATOTO標準のホームアプリだと、ナビ用に割り切られていてアイコンの大きさや配置数を変更できませんので、Nova Launcherの方が自由度があって良いかなと思いますので、しばらくNova Launcherで使ってみようと思います。

このように見た目を自由にカスタマイズできるのはAndroidナビならではです。私はこういったガジェットは見た目が大切だと思っていますので、とても気に入っています。


もっと「ただAndroidタブレットを車に付けた」感があるのかと思っていたのですが、車載用としてちゃんと作り込まれていて驚くほどよくできています。実際のところカーナビなんてのは音楽再生と年に何回かナビを使えれば十分で、Androidナビを付けたからといってAndroidアプリをガンガンいれて使うかといえば、どうだろう?と思うのですが、なにかできそう感があって久しぶりにワクワクします。創意工夫で普通とは違うなにかができそうな機器はとても良いと思います。

私の愛車は取り付けスペースの制限がありますので2DINに収まる7インチのモデルをチョイスしましたが、これは10インチの大画面フローティングモデルが欲しくなりますね。