Xperia 10 Ⅳの、いまさらレビュー第2回です。Xperia 10 Ⅳはやたらとバッテリー持ちが良いと評判ですので、そのあたりを中心に電源周りを紹介します。逆にPDに対応している充電には問題点もあり。。。
めちゃんこ良いバッテリー持ち
Xperia 10 Ⅳのバッテリー持ちは脅威的です。本当に全然減りません。いつもは検証の為にYoutubeなどを流しっぱなしにして何回かバッテリーを空にするのですが、あまりにも減らないので、今回はこのあたりの検証は少なめです。バッテリー容量は5000mAhと少し多めなスペックですが、数値以上に、とにかくバッテリーが減らないと言うのは特筆できます。
検証は、私が使うアプリは全てインストール済です。もちろんメーラーやLINEなどもインストール済ですし、ゲームも10アプリインストールしていますので、ログインせーや系の通知を出すために日常的に通信しているはずです。Wi-FiはOFFにしてモバイル回線で通信しています。バッテリーの悪あがきモードであるSTAMINAモードはもちろんOFFです。
まずは待ち受けです。LINEやメール、その他の通知が表示された時には指紋認証でロック解除して確認しています。このような状態で12時間の待ち受けで消費したバッテリーは驚異の2%です!!!20%ではありませんよ?2%です!単純計算で25日も待ち受けできることになります。
次に家を出る8時から帰宅する20時までの12時間で、通勤時に30分、昼休みに30分、退勤時に30分、午前午後に休憩で10分ずつSNSなどを見るケースでのバッテリー消費を見てみました。これも18%の消費とかなりのバッテリー持ちです。帰宅してバッテリー残量が80%以上残っていると言うのはちょっとびっくりします。ちなみに以前使用していたmotolora edge 20では70%台前半でした。
以下はケース毎に実測したバッテリー消費量です。
Wi-Fi | バッテリー消費量 | |
---|---|---|
SNSを30分閲覧 | OFF | 3% |
原神を30分プレイ | OFF | 5% |
YouTubeを30分再生 | ON | 4% |
なるべくモバイル回線前提でのバッテリー消費を計測したかったのですが、私は使い放題プランではありませんので、YouTubeだけはWi-Fiに接続しています。
あとは定量的なベンチマークとして、PCMarkのWork 3.0 battery lifeを実施しました。このベンチマークはWebブラウジングや画像編集など様々な処理を繰り返し実行してバッテリーの持続時間を計測するものです。
これが、驚異の22時間2分。ちなみにPixel 7aは12時間程度と聞けば、Xperia 10 Ⅳのバッテリー持ちが如何にイカれているかわかるでしょう。その間の温度も40℃以下を保っています。パフォーマンスはいまいちなXperia 10 Ⅳですが、バッテリー持ちや、発熱によるバッテリーの劣化防止を優先してのことなのかもしれません。
Xperia 10 Ⅳは、とにかくバッテリーが減りません。不安になるほど減りません。Xperia 10 Ⅳのバッテリー容量は5000mAhと一般的な容量より1~2割程度多いだけなのですが、実際のバッテリー持ちは特筆に値するのレベルを超えるレベルです。
仕様的には18WのPDに対応しているはずだけど。。。
SONYの純正充電器XQZ-UC1の説明には「Xperia 10 Ⅳの充電時には最大18Wの出力となります。」と書いてありますので、仕様としては18WのPDのはずなのですが、私が試した限りでは9V-1.5A前後の15W弱でしか充電しませんでした。
充電ケーブルを挿した直後には、9V-2Aの18W程度で充電する時もあるのですが、なぜか1分くらい経過すると1.5Aくらいまで落ちてしまいます。他の充電器も色々と試してみましたが同様でした。純正の充電器XQZ-UC1を試してみたいところですが、まぁかなり良いお値段なのですよね。。。実際にXperia 10 Ⅳを手持ちの20WPD充電器で試した充電時間がこれです。
経過時間 | バッテリー残量 | 30分の充電量 |
---|---|---|
0分 | 0% | |
30分 | 20% | 20% |
60分 | 40% | 20% |
90分 | 56% | 16% |
120分 | 66% | 10% |
150分 | 78% | 12% |
180分 | 93% | 15% |
192分 | 100% |
0%から100%まで充電するのにかかる時間は192分。30分で充電できるのは10~20%といったところです。Xperia 10 Ⅳは5000mAhとバッテリー容量が多いスマホではあるのですが、それにしてもちょっと遅いような。。。まぁ通常は寝ている間に充電しますので、ゆっくりで良いのですが、出先で継ぎ足し充電する時とかは、この2倍くらいの速度は欲しいところです。
グラフにしてみると、通常は100%に近づくにつれて充電速度が遅くなる2次曲線を描くのが一般的なのですが、Xperia 10 Ⅳは一直線に向かっていく感じですね。充電関連には色々と違和感があって、もっと追試したいところですが。。。何れにしても仕様的には最大18WのPDであるのはSONYが公式にアナウンスしていますので、20WのPDに対応した充電器を用意しておけば良いでしょう。
また、ネットでも散見されるのですが、なぜかモニタを点けた状態だと9V-1.1Aの10W程度まで充電電力が落ちてしまいます。
使いながら充電した場合には「なかなかバッテリー残量が増えない」もしくは「ゲームをしていると少しずつバッテリー残量が減っていく」ようなケースもあると思います。まぁ本機はバッテリー消費がかなり低いので、日中に充電が必要なシーンはそうはないと思いますが、旅行や出張など使用率が高い場合には不安になりますね。Xperiaにはバッテリー寿命を延ばすための「いたわり充電」という機能がありますが、この機能になんらかの問題があるのかもしれません。もちろん上記の充電電力が思ったよりも低い現象は「いたわり充電」をOFFにした状態の話です。
逆に「いたわり充電」には特筆すべき良いところもあります。それが充電の制限容量の指定です。これは「充電したまま放置しても80%とか90%までしか充電をしない」という機能です。リチウムイオン電池は満充電で寿命が縮むことが知られています。スマホなどの新品を購入した際にも満充電にはなっておらず、80%とか70%とかそんなくらいのバッテリー残量になっているはずです。通常は寝る前に充電して寝ますので、毎晩毎晩満充電となってバッテリーの寿命を縮めている訳です。つまりは毎日そこまで使用しないのであれば、毎晩100%まで充電しないようにする機能です。
80%と90%が選択できるのですが、Xperia 10 Ⅳはバッテリー持ちがとても良く、私の場合には1日30%も使いませんので、80%に設定して使っています。
このようにXperia 10 Ⅳはバッテリー持ちがやたらと良いのですが、PDによる急速充電はいまいち速度が出ません。バッテリー持ちが良いので、普段使いでは1日でバッテリーが空になるようなことはないと思いますが、公共交通機関で旅行に行くときなどは、移動時間や待ち時間にかなり使用しますので、いかにバッテリー持ちが良いとはいっても少々不安です。
色々と見ていくとXperia 10 Ⅳはバッテリーの劣化防止に重点を置いているように見えます。それはそれで「長く製品を使ってもらおう」という善意がくみ取れて良いのですが、充電開始時の通知で「いたわり充電」をするかの選択ができる訳ですので、いたわり充電を選択しない「通常の充電」を選択した場合には仕様上の最大電力であるPD18Wで急速充電できるようにしてほしいなぁとは思います。