既にXperia 10 VのSIMフリー版も発売しているのに、今更ながらXperia 10 IVを購入してしまいました。でも激安で入手した型落ちにもかかわらず、思いのほか良い感じですし、個人的には「今だから」Xperia 10 Ⅳだと思うところもありますので、軽くレビューしたいと思います。
色々と迷ってはいたのですが、結局、安さに負けて入手してしまいました。今まで使っていたmotorola edge 20よりも性能的に劣ったスマホに乗り換えた訳ですので大丈夫か?という不安はありました。今回は、実際にXperia 10 Ⅳを1ヶ月半ほど使ってみた使用感などを紹介したいと思います。
スタイリッシュでコンパクトな縦長ボディ
Xperia 10 Ⅳも、Xperiaシリーズの縦長ボディを踏襲したデザインです。私は以前Xperia 10 Ⅱを使っていたことがあり、その縦長デザインやコンパクトさがとても気に入っていました。今回はもちろん楽天モバイルでの激安価格に負けたというのもありますが、またXperiaの縦長デザインが欲しいと思っていましたのでXperia 10シリーズに戻ってきた形です。
今まで使ってきた6.7インチのmotorola edge 20と並べると、このコンパクトさです。Xperia 10 Ⅳは数値の上では6.0インチですが、21:9の縦長ですので面積は一般的な6.0インチモニタよりも小さく、昔のコンパクトだった頃のスマホを彷彿とさせます。
現在の代表的なコンパクトスマホと言えば、下記の表のような感じでしょうか。
サイズ | 重量 | |
---|---|---|
Xperia 5 Ⅴ | 154 × 68 × 8.6mm | 182g |
Zenfone 10 | 146.5 × 68.1 × 9.4mm | 172g |
Xperia 10 Ⅴ | 155 × 68 × 8.3mm | 159g |
Xperia 10 Ⅳ | 153 x 67 x 8.3mm | 161g |
Rakuten Hand 5G | 138 x 63 x 9.5mm | 129g |
Xperia 10のサイズは、ほぼXperia 5と同じで、Zenfone 10は高さを更に短くしたようなサイズですね。Rankuten Hand 5Gは更にコンパクトさが光ります。背面のデザインもシンプルで良いと思います。
ロゴもデザインに溶け込むサイズ&カラーで好感が持てますね。カメラも最近流行りのオラついた感じではなく、最小限のサイズとでっぱりです。表面処理はちと指紋が目立つのが気になるところではありますが。以前Xperia 10 IIを使っていた時には背面もガラス素材になっていて、とても高級感があったのですが、いつの間にか廃止されたのですね。残念。
金額的に折り合いが付けばXperia 5やZenfone 10などが良いのはもちろんですが、Xperia 10 Ⅳは先にも書いたように、とにかく激安で手に入るのです。同じく楽天モバイルへのMNP価格であれば、Rakuten Hand 5Gも1円で手に入りますので、更に安く、更にコンパクトにという場合には良いと思います。Rakuten Handも所有していましたが、普通に良いスマホでしたよ。
縦長デザインは好きではないという人もいるようですし、大型モニタには大型モニタならではの良さはありますが、手に収まるサイズ感はとても良いと思います。
色々厳しいベンチマーク値
ベンチマークもいくつか取ってみました。まずはCPUの性能を測るGeekbench 6です。
シングルコアが904、マルチコアが2115でした。ちなみに、Pixel 7aは1400/3000くらいですので、ざっくり2/3くらいのスコアですね。次にグラフィックス性能を測る3DMarkのWild Lifeです。
こちらは1207。Pixel 7aが6500くらいですので、更に大きく離されていますね。1/5以下のスコアです。
負荷の高いWild Life Extreamだと358でした。Pixel 7aは1800くらいですので、やはり1/5くらいのスコアです。散々な値で本当に買ってよかったのか心配になりますね。
一応、熱制御を見てみようとWild Life Extreamを連続で実行してみましたが、開始時に31℃だった温度は5回目で36℃まで上がって以降は上昇することはなく、スコアも安定していましたので、熱に対しては非常に堅実な制御となっているようです。
最後にPCMARKのWork 3.0 performanceを実行してみました。これはWeb閲覧など、日常の操作を想定した負荷に対する性能を測るベンチマークです。結果は7866。Pixel 7aは11000くらいですので、ここまでのベンチマークに比べると控えめな差です。やはり3Dグラフィックスのような負荷の高い処理に対しては差が大きく出るのですが、通常の処理ではそこまで絶望的な差にはならないようです。とは言っても歴然とした差ではありますが。
ベンチマークはブーストなどの問題もありますし、スマホの魅力はベンチマークだけで測れるものではありませんが、Xperia 10 Ⅳのベンチマーク値は、現在のミドルレンジ機の主力であるPixel 7aなどと比べると、しょっぱいのは確かです。
ベンチマークのわりには普通にゲームは遊べる性能
ベンチマークが芳しくなかった訳ですが、それでは実際にゲームが重いのか?というあたりを、実際にプレイした所感を紹介します。
まずは、その重さからスマホゲームのベンチマークとなっている原神です。インストール状態のデフォルトではグラフィックスの画質設定は「低」となっていますが、この設定では全く問題なくプレイできます。本体もほとんど発熱を感じません。
次に一つ上の「中」に設定すると「現在のデバイス負荷」が「非常に高い」と表示されますが、プレイ自体は多少ひっかかりがあるかな?というくらいで特に問題を感じることなくプレイできます。ただ、本体はそこそこ熱を持ちますので、SoCに負荷がかかっていることがうかがい知れます。
「低」でもスマホの小さい画面には十分に綺麗ですし、無理に「中」でプレイする必要もないかなと思い、私は「低」でプレイしています。原神が動けば大抵は大丈夫だろうと思いますが、一応他にも多少ゲームをプレイしてみました。
ウマ娘はライブなどの比較的負荷が大きいであろうライブシーンも含めて問題は感じませんでした。発熱もあまり感じられません。実は日常的にプレイしている訳ではないのですが、単発ガチャで新キャラの苫小牧ちゃん(名前なんだっけ)が出ました。ログインボーナスの時の「じゃじゃーーん!」がお気に入りで、ホームにしてログインボーナスだけ貰いに行ってます。
最近リリースされたばかりのFINAL FANTASY Ⅶ EVER CRISISもプレイしてみましたが、こちらはオリジナルのFF7のように静止画背景+ローポリキャラという、ゲーム自体があまりハードウェアパフォーマンスを要求しない構成になっていて、もちろんXperia 10 Ⅳでもパフォーマンスに問題はありませんでした。これ、古き良き時代のRPGって感じで、ちょっと続けてプレイしてみようという気になりますね。
Pixel 7aやmotorola edge 40などと比べると、確かにベンチマークは厳しめなXperia 10 Ⅳですが、実際にゲームをプレイしてみると、パフォーマンスが足りないということもないと思います。どうしても原神を高設定のグラフィックスでプレイしたいと言う人は、4~5万円くらい多く払ってPixel 7aやmotorola edge 40あたりのスマホを買いましょう。
特筆すべき性能ではないけれど、普通な性能のカメラ
カメラ部分はでっぱりも極小であまり主張のないものです。最近のiPhoneなどは性能を追求するあまり、正気か?と疑いたくなるような酷いデザインですが、Xperiaのカメラ部は性能を追求すると同時にデザインもシュッとしててカッコいいと思います。Xperia 10 Ⅳは性能を追求している訳ではありませんので、なおさらシンプルです。
カメラは良くある3カメラ構成です。超広角(16mm)、広角(27mm)、望遠(54mm)で、カメラアプリ上では広角を1倍として、超広角を0.6倍、望遠を2倍と表記されています。
35mmフルサイズの一眼カメラと、実際に画角を比較してみましたが、この焦点距離は35mm換算のようです。35mm換算であれば54mmは望遠ではなく標準ですが、まぁ真ん中の広角を1倍として基準にしているので、望遠と表記しているのでしょう。それならば広角を標準と表記すべきな気もしますが。。。
この3つのカメラはピッチイン・ピッチアウトで画角を変えていくと自動的にシームレスにカメラが切り替わるようになっており、2倍(54mm)を超えるとデジタルズームされます。
同じ位置で超広角、広角、望遠で撮影したものです。画質はあまり期待していなかったのですが、やはり全体的にノイジーでガサっとしています。色合いはXperiaらしい、ちょっと盛った感じの鮮やかな色です。
望遠の画像を等倍で切り出したものです。解像感は悪くないように思います。ここから更にデジタルズームしたものが下の画像です。
上がアプリ上の表記で5倍、下が最大となる10倍の画像です。5倍の画像は「超解像ズーム」と謳っているだけあって、かなり解像感があると思いますが、10倍までズームしてしまうと、まぁ「デジタルで拡大したらこうなるよね」という感じの画質ですね。5倍以下を念頭に使うと良いと思います。
フォーカスは良くある「タップした位置にフォーカスを合わせる」だけではなく、スライダーでシームレスにフォーカスする距離を変えることができます。一眼カメラで言えばマニュアルフォーカスな訳で、ミラーレスカメラでぶいぶい言わせているSONYらしいですね。他にも一通りマニュアルで指定できるようになっていて、一眼カメラを使っている身からすると、自分で全てコントロールできるのは安心感があります。
また、タップでフォーカス位置を指定すると、その位置にフォーカス位置が固定されて、被写体が動いてもフォーカスを維持するようになっています。αで言うところのロックオンAFですね。
上の画像ではフォーカス位置が黄色い四角で示されていますが、被写体の位置を変えても黄色い四角が追従しているのがわかります。
暗所での性能も悪くなく、上の画像では真っ暗な部屋でモニタの明かりだけで撮影していますが、ノイズ感は少なく良好な感じです。ただし、ナイトモードで撮るとノイズ感が増す感じですので、標準モードでしっかりとスマホをホールドして撮った方が綺麗に撮れます。特に1倍の広角カメラは光学式の手ブレ補正が搭載されていますので、きれいに撮れます。このカメラのでっぱりの少なさで光学式手ブレ補正を搭載しているのは地味に凄いと思います。
Xperiaの指紋認証はとても優秀になった
少なくともXperia 10 Ⅳの指紋認証はとても正確です。以前は、Xperiaの指紋認証は評判が悪く、私もXperia 10 Ⅱでは苦労しましたが、Xperia 10 Ⅳでは、認証してくれなくてイライラということはありません。
なんでも通しか?と思って登録していない指を添えてみても、もちろん認証されることはありませんでした。指紋認証はスマホを使うたびに行いますので、精度が悪いとストレス溜まりますよね。
また、指紋認証のセンサーが電源ボタンに組み込まれていますのでデザイン的にもスマートですし、スマホを左手で握った時に自然と中指がセンサーの位置にきます。少し古めのデザインのスマホだと背面にでっかいセンサーがあったり、最近は画面内に指紋センサーが内蔵されているスマホもありますが、私は側面の電源ボタンに組み込まれているの最も自然に使えてスマートだと思います。
基本的にはSIMフリー版と同じもの
ちなみに楽天モバイルのXperia 10 ⅣはSIMフリー版と同じ型番(XQ-CC44)です。他のキャリア版は対応バンドなどがカスタマイズされていますので、例えばドコモ版ならSO-52Cです。一応、起動時に楽天モバイルのロゴが表示されるのと、初期セットアップ時にインストールするアプリを選択する画面で、選択肢として楽天関連のアプリが表示されますが、選択しなければ当然ながらインストールされません。
ちなみに、購入時はAndroid 12でしたが、現在は最新版のAndroid 13にアップデートされています。
ドコモ 5Gのn79に対応している
型番が同じですので対応バンドもSIMフリー版と同じです。特筆すべきは、ASUS Zenfone 10やmotorola edge 40などが対応していない、ドコモ5Gのメインバンドであるn79にXperia 10 Ⅳはしっかりと対応していることです。n79は海外メーカーのSIMフリースマホでは、日本版であっても対応していないことが多く、ドコモにとっても、海外製SIMフリースマホにとってもアキレス腱になっています。
バッテリーまわりは色々と長くなるので別記事にてレビュー予定です。
ブログ的には最新機種を購入してレビューした方が良いのですが、まぁ、なにせ安いのですよ。例えば、5万円とかならお勧めしませんよ。でも、型落ちとして安価に手に入るなら全然ありです。シンプルで貴重なコンパクトボディに、ベンチマークは見劣りしていても、使ってみれば特に問題のないパフォーマンス。決して安かろう悪かろうではなく、全然良い感じですよ。
「こういうのでいいんだよ。こういうので。」