いきなり寒くなってきましたね。夏の冷房費も頭が痛いところですが冬の暖房費もかなりのコストです。冷房は我慢するかどうかくらいしか選択肢がありませんが、暖房費は色々な方式の暖房機器がありますので、どれが一番コストが安いのか気になるところです。金額も大きいですしね。
Twitterで目に止まったのが下のツイートです。
— ニライカナイφ★ (@niraikanai07) 2017年11月21日
この画像によるとエアコンがファンヒーターよりも安くなっています。なんと、こたつよりも安い。ひと目見て「これはない」と思いました。以前、本サイトの下記の記事で「エアコンと石油ファンヒーターでは圧倒的に石油ファンヒーターの方がコストが安い」と結論付けました。
暖房はエアコンと石油ファンヒーターはどちらがコストが安いのか?実測で比較してみました。 |
しかし、この記事を書いた頃は原油価格が下落して灯油も非常に安い時期でしたので、現在の灯油価格で再計算してみようと思います。
消費電力や灯油の消費量は、なるべく同条件、実際の使用状況に合うようにしています。温度は設定温度を合わせるのではなく、別途用意した温度計で室温を実測して同じくらいになるように調整しています。
エアコンのコスト
エアコンは更新していませんので前回と同じく2004年発売のMSZ-SV36Rです。暖房は9〜12畳用で、カタログスペック上の期間消費電力は1585kWhのモデルです。ちなみに現行型のMSZ-GV3617の期間消費電力1472kWhと向上しています。普及帯の実売6~8万円程度のモデルですので、みなさんが使っているエアコンとほぼ変わらないと考えてもらって構いません(高価なモデルを買える人除く)
実測コストは電力消費量や電気代なども変わっていませんのでエアコンに関しては前回と同じです。
経過時間(分) | 室温(度) | 瞬間消費電力(W) | 積算消費電力(kWh) | コスト(円) |
---|---|---|---|---|
0 | 15 | 0 | 0 | 0 |
20 | 17.5 | 1301 | 0.35 | 8.75 |
40 | 20 | 915 | 0.68 | 17 |
60 | 20.9 | 798 | 0.98 | 24.5 |
80 | 21.3 | 901 | 1.25 | 31.25 |
100 | 21.5 | 652 | 1.49 | 37.25 |
120 | 21.4 | 637 | 1.72 | 43 |
室温を上昇させる最初の1時間は24.5円、以降保温に1時間あたり18.5円程度です。ざっくり1日5時間稼働で98.5円、30日で2,955円です。これは季節の境目の私の電気代の上昇と大体一致していると思います。
余談ですが、この最初の1時間と以降のコストを見るとよく言われる「エアコンはつけっぱなしが結果的に電気代が安くなる」というのには疑問を感じますね。
石油ファンヒーターのコスト
さて、問題の石油ファンヒーターです。前の記事の時は原油価格が下落して灯油1Lが55円、18Lが1,000円で購入できていました。現在はまた原油価格が高騰してきて、全国平均価格は18Lで1,456円、1Lが81円です。単純に1.5倍近くになっていますね。キビシー
石油ファンヒーターも前回と同じくダイニチFW-321Sで、ホームセンターなどで1万円ほどで販売されている一般的なものです。
経過時間(分) | 室温(度) | 灯油消費量(L) | 積算消費電力(kWh) | 灯油コスト(円) | 電気コスト(円) | コスト合計(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 14.8 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
20 | 18.5 | 0.04 | 1 | |||
40 | 20 | 0.06 | 1.5 | |||
60 | 20.5 | 0.29 | 0.08 | 23.49 | 2 | 25.49 |
80 | 20.9 | 0.1 | 2.5 | |||
100 | 21 | 0.12 | 3 | |||
120 | 21 | 0.41 | 0.14 | 33.21 | 3.5 | 36.71 |
最初の1時間は25.49円とエアコンよりも若干高いですが、以降の保温に関しては1時間あたり11.22円と大きく逆転します。同じく1日5時間稼働で70.37円、30日で2,111円とエアコンの70%程度のコストです。灯油はかなり高くなりましたが、まだまだ石油ファンヒーターの方が低コストですね。
以前の記事でも書きましたが、石油ファンヒーターの方が最初の20分の温度上昇が早いのも特筆すべき点ですし、自分がいる場所に引っ張ってくれば更に設定温度を下げることができます。灯油を買いに行ったりタンクに補充したりする煩わしさはありますが、大きな暖房コストを30%も下げることができるのであれば十分に手間をかける意義があると思います。
高価で高性能なエアコンであれば差は小さくなる
最近のエアコンは省電力だとよく聞きますが、それは高価な機種の話です。例えば上で例に上げた今年度型の実売7.5万円程度のMSZ-GV3617の場合は期間消費電力が1472kWhですが、
27万円近くもする高級機種のMSZ-ZW3618では1093kWhと74%程度に抑えられています。
それでも若干石油ファンヒーターのコストパフォーマンスには及びませんが、これ以上灯油の価格が上昇すれば逆転します。現状でも同等であれば、灯油を扱う面倒を考えればエアコンを使うのもありでしょう。
エアコンは10年以上と長く使う家電ですので、冷暖房をよく使う家庭では運用コストを考えれば高価なモデルを購入した方が良いのかもしれません。
まとめ
最初のツイートの画像はテレビ朝日のハナタカという番組のキャプチャのようですね。ソースのエネチェンジのサイトを調べてみたところ、エアコンのコストは「2.8〜53.3円」と記述されていました。この記述の2.8円の部分を抜粋するのはどう見てもおかしいですよね。意外な結果を見せて視聴者の注目を集めようという悪意に満ちた編集だと思います。本当にテレビは信用なりませんね。
ではまた!
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