今年も登場しました。Google Pixelシリーズの廉価版Pixel 7a。廉価版とは言っても全然廉価版レベルではない性能で大人気です。そのPixel 7aの各キャリアの対応周波数帯(バンド)への対応を解説します。
Pixel 8シリーズはこちらの記事で紹介しています。
「Pixel 7a」の対応周波数帯
対応周波数 | |
---|---|
4G LTE | B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B12, B17, B18, B19, B20, B21, B25, B28, B32, B38, B39, B40, B41, B42, B66 |
5G NR | n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n25, n28, n38, n40, n41, n66, n75, n76, n77, n78, n79 |
Pixel 7aはPixel 7よりも対応バンドが増えています。日本国内で使用されているバンドだとB21がそれで、ドコモの高速通信用の周波数帯です。また、5Gでもn79に対応しました。n79もやはりドコモで使用されている周波数帯で、5Gではわりと重要でしたのですが、Pixel 7では対応していませんでした。Pixel 7aはPixel 7の痒い所に手が届いて良い感じですね。
5GはSub6のみの対応で、ミリ波には対応していません。ミリ波はPixel 7も対応していませんし、ハイエンドのスマホでのみ対応するのがデファクトスタンダードです。PixelシリーズもPixel 7 Proで対応しています。
ミリ波は周波数が高く高速なのですが、届く範囲は狭いために人が多く集まるところにスポット的に設けられます。整備が進めばイベント会場などで繋がりやすくなったりするでしょう。
Sub6は、LTEのBand42の3.5GHzより少し周波数が高いだけですが、Sub6の5G対応エリアは順調に増えており、単純にLTEの最高速レベルの通信バンドとしても捨てがたいものになってきました。
ドコモ 対応周波数帯
4G LTE
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
Band1(2.0GHz) | ○ | メインバンドでありかなり広め。山間部などに行かなければ大体大丈夫。 |
Band3(1.7GHz) | ○ | 東名阪で整備されている高速通信用のバンド。 |
Band19(800MHz) | ○ | プラチナバンド。郊外~山間部では必要。 |
Band21(1.5GHz) | ○ | 一部の地方都市で整備されている高速通信用のバンド。 |
Band28(700MHz) | ○ | プラチナバンド。市街地~郊外用(?)で山間部には見られない。 |
Band42(3.5GHz) | ○ | PREMIUM 4Gの高速通信用のバンド。 |
プラチナバンドを含めには必要なバンドを網羅していますので、ドコモ系のSIMで問題なく使用できるでしょう。Pixel 7で対応していなかった(海外製のSIMフリースマホではサポートされていないことが多い)Band21にも対応しているのが良いですね。
5G NR
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
n78(3.6~3.7GHz) | ○ | Sub6と呼ばれるあまり周波数の高くないバンドです。LTEの延長のような周波数です。 |
n79(4.5~4.6GHz) | ○ | |
n257(29.10~29.50GHz) | X | ミリ波と呼ばれる非常に周波数の高いバンドです。周波数が高いので高速通信が可能ですが、遮蔽物などに弱いために通信できる範囲は限定的です。遮蔽物どころか雨程度にも影響を受けるようです。 |
海外製のSIMフリースマホではn79に対応していないことが多く、Pixel 7でも非対応で、ドコモ系のSIMで使うときのウイークポイントでしたが、Pixel 7aではしっかりと対応してきました。関東はn79がメインとのことですので、Pixel 7では関東在住の人は5Gの恩恵に預かりにくいと思われますが、Pixel 7aでは解消されました。
前述のように、ミリ波には対応していません。
ソフトバンク 対応周波数帯
4G LTE
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
Band1(2.0GHz) | ○ | メインバンドの一つ。ドコモに比べるとかなり狭め。 |
Band3(1.7GHz) | ○ | 他社を買収したバンド。エリアも広く高速通信が可能なバンド。 |
Band8(900MHz) | ○ | プラチナバンド。 |
Band11(1.5GHz) | X | あまり使用されていないバンド。 |
Band28(700MHz) | ○ | プラチナバンドだがあまり整備されていない。 |
Band42(3.5GHz) | ○ | キャリアアグリゲーション用の高速通信バンド。 |
プラチナバンドを含めには必要なバンドを網羅していますので、ソフトバンク系のSIMで問題なく使用できるでしょう。
5G NR
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
n78(3.6~3.7GHz) | ○ | Sub6と呼ばれるあまり周波数の高くないバンドです。LTEの延長のような周波数です。 |
n257(27.40~27.80GHz) | X | ミリ波と呼ばれる非常に周波数の高いバンドです。周波数が高いので高速通信が可能ですが、遮蔽物などに弱いために通信できる範囲は限定的です。遮蔽物どころか雨程度にも影響を受けるようです。 |
Sub6には対応していますが、ミリ波には対応していません。
au 対応周波数帯
4G LTE
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
Band1(2.0GHz) | ○ | メインバンド。 |
Band3(1.7GHz) | ○ | 一部地域の高速通信用バンド。 |
Band11(1.5GHz) | X | 一部地域の高速通信用バンド。 |
Band18(800MHz) | ○ | プラチナバンドでありメインバンド。これが未対応だとかなりきびしい。 |
Band26(800MHz) | X | これに対応していたらBand18に対応していなくてもOK。 |
Band28(700MHz) | ○ | プラチナバンドだがあまり整備されていない。 |
Band41(2.5GHz) | ○ | WiMAX2+と呼称される高速通信用バンド。 |
Band42(3.5GHz) | ○ | キャリアアグリゲーション用の高速通信バンド。 |
Band26は海外版スマホではあまり対応されてこなかったBand18を海外版スマホに対応させるための仕組みですので、Band18に対応していれば問題ないと思います。プラチナバンドを含めには必要なバンドを網羅していますので、au系のSIMで問題なく使用できるでしょう。
5G NR
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
n77(3.7~3.8GHz) | ○ | Sub6と呼ばれるあまり周波数の高くないバンドです。LTEの延長のような周波数です。 |
n77(4.0~4.1GHz) | ○ | |
n78(3.3~3.8GHz) | ○ | |
n257(27.80~28.20GHz) | X | ミリ波と呼ばれる非常に周波数の高いバンドです。周波数が高いので高速通信が可能ですが、遮蔽物などに弱いために通信できる範囲は限定的です。遮蔽物どころか雨程度にも影響を受けるようです。 |
Sub6には対応していますが、ミリ波には対応していません。
楽天モバイル 対応周波数帯
4G LTE
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
Band3(1.7GHz) | ○ | メインバンド。 |
Band18(800MHz) | ○ | 楽天の言うところのパートナー回線。実際にはauのプラチナバンド。楽天モバイルの基地局はかなり増えてきているが、山間部などはこれが未対応だとかなりきびしい。 |
Band26(800MHz) | X | auと同じく、これに対応していたらBand18に対応していなくてもOK。 |
楽天モバイルはBand3のみであり、速度は遅いけど繋がりやすい低周波のいわゆるプラチナバンドがありません。プラチナバンド獲得の話は進んではいますが、実際に使えるようになるにはまだ時間がかかるでしょう。楽天モバイルの電波をつかめない場所で繋がるauの回線(Band18またはBand26)への対応を順次縮小していましたが、一転して6月1日より「Rakuten 最強プラン」という従来のUN-LIMITプランから料金据え置きでau回線を使い放題できるプランがリリースされます。auのプラチナバンドを使える訳ですので、「楽天はプラチナバンドがないので繋がりにくい」という弱点が解消されます。この価格でauの回線をキャリアの速度で使える訳ですのでお得感ですね。
auのプラチナバンドを含めて必要なバンドを網羅していますので、楽天のSIMで問題なく使用できるでしょう。
5G NR
バンド | 対応 | 備考 |
---|---|---|
n77(3.8~3.9GHz) | ○ | Sub6と呼ばれるあまり周波数の高くないバンドです。LTEの延長のような周波数です。 |
n257(27.00~27.40GHz) | X | ミリ波と呼ばれる非常に周波数の高いバンドです。周波数が高いので高速通信が可能ですが、遮蔽物などに弱いために通信できる範囲は限定的です。遮蔽物どころか雨程度にも影響を受けます。 |
Sub6には対応していますが、ミリ波には対応していません。
海外製のSIMフリースマホでは対応されないことが多く、Pixel 7でも対応していなかったドコモのB21やn79に対応しているのがPixel 7からの強化ポイントです。単に型落ちを廉価版に据えているだけではないところが好感が持てますね。性能的にも廉価版とは呼べないようなハイスペックです。新色のCoralも鮮やかで良いですね。素直に欲しいです。
ただ、残念ながら価格が53,900円から62,700円に1万円弱上がってしまいました。性能が上がってるから良いみたいなノリもありますが、新モデルなのですから性能が上がるのは当然で、単純に値上がりしたという話です。原材料の高騰や為替の問題、日本が経済成長できていないなどの、外的な要因ですのでGoogleが悪い訳ではないのですけどね。
Pixel 7aの発売日は、5月11日で既に発売中です。
Source : Googleストア