MacBook Airは「安くMacを使える庶民の味方!」だったのですが、ここ数年のAppleの高級路線にそぐわないためか、Mac Miniと一緒にずっと放置(言い訳程度のアップデートはありましたが)されてきました。しかし遂にフルモデルチェンジ!2018年モデルのMacBook Proが地平の彼方の高価格帯に行ってしまったのもあり「庶民の味方」の動向に大注目していました。しかし。。。
待ちに待った新型MacBook Air
従来はMacBook Airは非常に安く、初登場した時にはそこらの低価格Windowsノートすら価格面で苦戦するくらいで多くの人をMacノートに引き入れた立役者でした。私も飛びつきました。しかしアップデートされないまま月日は流れ、特にモニタ解像度が低すぎて近年の基準ではちょっとメインノートとしては使えないところがありました。
それが「高解像なRatinaディスプレイとなって安価に登場する」と噂され、私もそろそろ買い替えを考えていましたので今か今かと待っていたのですが、発表されたのは最小構成(たった128GBのSSD)で税抜134,800円。しかし最近のAppleの基準であればこんなものと言えますし、狭いベゼルのその佇まいは多少(主に多)の追加投資を決断させるに足りるものです。
12インチMacBookよりはパフォーマンスも良いだろうと思いましたが、CPUを調べていて「ちょっと待てよ」となりました。CPUの型番などは公表されていませんが、そのスペックからCore i5-8210Yであるのは間違いなさそうです。え?Yシリーズ?
MacBook Airなのだからi5 Uシリーズを搭載だと思っていたのに
従来のMacBook AirにはUシリーズのプロセッサが採用されていました。2017MidのMacBook AirのCPUはi5-5350Uです。UシリーズとYシリーズの違いはYシリーズはパフォーマンスを大幅に落とすかわりに消費電力を抑えたモデルです。12インチMacBookにも採用されています。
コア数は半分の2コアに、キャッシュも6MBから4MBに減少しており、口悪く言えば「なんちゃってCore i5」です。
i5-8210YのPassMarkはまだ判明していませんが、Geekbenchが流出していて12インチMacBookのi5-7Y54の10%増のようです。このことからPassMarkは4000程度になると予想されます。これは2017MidのMacBook AirのCPUであるi5-5350Uの3462を上回りますが、5350Uは3世代も古いCPUであり、比較対象としてはふさわしくありません。2017年の時点でインテルのプロセッサは第7世代であり、2世代も古い第5世代の5350Uを搭載して新製品として発表していたわけで、ユーザーを馬鹿にしていますね。
MacBook Airの後継機か?MacBook Proの廉価機か?
登場年 | CPU | TDP | PassMark | 128GB | 256GB | 512GB | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MacBook Air | 2018Late | i5-8210Y | 7W | 4000(?) | 134,800円 | 156,800円 | 178,800円 |
2017Mid | i5-5350U | 15W | 3462 | 98,800円 | 120,800円 | ||
MacBook | 2017Mid | m3-7Y32 | 7W | 3527 | 142,800円 | ||
2017Mid | i5-7Y54 | 7W | 3617 | 175,800円 | |||
MacBook Pro | 2018Mid | i5-8259U | 20W | 10757 | 198,800円 | 220,800円 | |
2017Mid | i5-7360U | 15W | 5929 | 142,800円 | 164,800円 | 186,800円 |
価格帯が大幅に上がったことで、MacBook Airの立ち位置がいまひとつわからなくなってしまいましたので、現行の各モデルの最小構成を中心にスペックを一覧にしてみました。メモリーは全機種8GBです。
SSDが512GBのモデルは今回の趣旨とはずれますが、12インチMacBookのCore i5版が512GBしかないので、同条件で比較するために他のモデルも合わせてピックアップしました。
SSDが512GBのモデルで比較するとよくわかりますが、MacBookと新型MacBook Airは価格もほぼ同等で、そのサイズ以外は丸かぶりです。MacBook Airは「MacBook Airの後継機」でもなく「MacBook Proの廉価機」でもなく「MacBookの13インチ版」であることがよくわかります。MacBookは2018年にはモデルチェンジしていませんのでCPUが1世代古く、その分スペックが低いのですが、世代を揃えるとMacBookとMacBook Airは大きさ違いの同じ機種と言って差し支えありません。逆に言えば今すぐ購入するのであればMacBookよりも1世代新しいMacBook Airのほうが良いでしょう。ただ、MacBookのみにラインナップされているCore m3-7Y32が思いの外パフォーマンスが良くてお買い得にも見えます。
今年モデルチェンジしたMacBook Proはインテルの第8世代プロセッサを搭載しているだけあって、ものすごいパフォーマンスですね。10000超えは第7世代のデスクトップ用のCore i7並の性能です。まぁ20万円もするものですのでそれくらいのパフォーマンスでなければ困りますが。
Apple製品は着々と高級ブランド品に
今年はMacBookがモデルチェンジしませんでしたし、MacBook AirはMacBookの後継機とも見えます。そうであれば今のMacBookをMacBook Airの12インチ版として、新たに解像度をフルHDくらいに抑えた安価なベーシックモデルである「MacBook」の登場を願うところですが。。。
近年のApple製品の値上げは凄まじいものがあります。MacBook Airやその前のポリカーボネイト製のMacBook、Mac Miniなどは本当に割安でAppleは間口の広いメーカーでしたが、最近は明確に高級ブランド品としてのポジションへ移行しようとしています。日本もそうですが世界的に格差が広がっていて貧乏人か金持ちかの二極化が進んでいますので、企業としては正しい戦略なのだと思います。Appleにはそれができるブランド力がありますしね。女性が高級ブランドのバッグに憧れるようにギークもまたAppleを求めるようになるのでしょうか。
「100%再生可能アルミ製でエコロジー」とか死ぬほどどうでも良いと思うのですが、欧米のお金持ちはそういったことに配慮するのもステータスのようですので、ここいら辺にもターゲットとするユーザー層が垣間見えます。
先日、Appleは「これからは販売台数は公表しない」と発表しました。つまり数では勝負しない=高価格帯で勝負すると宣言した訳です。もう庶民向けのApple製品は期待しないほうが良さそうです。
私は2014MidのMacBook Proを愛用していますが、当時、メモリー8GB、SSD256GBのスペックを実売税込12万円で購入できました。いくら軽量コンパクトでスタイリッシュになったとはいえ、PassMarkも劣り、SSDは128GBに半減する新型MacBook Airに大枚はたいて買い換えるのはちょっと。。。仕事で1日中Windowsを使っているのでプライベートなノートパソコンくらいMac OSにと思っていましたが、もうZenBookとかで良いかなぁ。
一応断っておきますが、Appleは悪くないのですよ。私が貧乏なのが悪いのです。
ではまた!
Source : Apple
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