毎年恒例の新型iPhoneが登場しましたね。市場の評価は「新しいトピックに欠けて期待外れ」とのことでAppleの株価が下落したりしています。私は初の6インチ越えiPhoneということで結構注目しているのですが、今回は少し切り口を変えてその価格に注目してみようと思います。
ティム・クック「多くの人に買ってもらえるように価格の幅を広げた(意訳)」は本当か?
iPhoneの価格が10万円を超えて騒いでいたのがついこの間の事のように思うのですが、信者の信仰心を試すように値上げを続けて、ついに一部モデルが税抜でも15万円を超えるプライスタグをぶら下げてきました。
具体的には「iPhone XS」と「iPhone XS Max」の512GB版です。税抜価格でそれぞれ152,800円と164,800円、税込だと165,024円と177,984円にもなります。AppleCareなんて付けた日には余裕の20万円オーバーです。MacbookどころかMacbook Proに届こうかというお値段。すげーーー!げーーー(吐血音)
iPhoneはここ5年で最高値モデルが99,800円から164,800円へと価格が上乗せされてきました。その「iPhone 6」から「iPhone XS」までの価格の一覧を表にしてみました。
16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB | 512GB | 発売年月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
6 | 67,800 | 79,800 | 89,800 | 2014/9 | |||
6 Plus | 79,800 | 89,800 | 99,800 | 2014/9 | |||
6s | 86,800 | 98,800 | 110,800 | 2015/9 | |||
6s Plus | 98,800 | 110,800 | 122,800 | 2015/9 | |||
SE | 52,800 | 64,800 | 2016/3 | ||||
7 | 72,800 | 83,800 | 96,800 | 2016/9 | |||
7 Plus | 85,800 | 96,800 | 107,800 | 2016/9 | |||
8 | 78,800 | 95,800 | 2017/9 | ||||
8 Plus | 89,800 | 106,800 | 2017/9 | ||||
X | 112,800 | 129,800 | 2017/9 | ||||
XS | 112,800 | 129,800 | 152,800 | 2018/9 | |||
XS Max | 124,800 | 141,800 | 164,800 | 2018/9 | |||
XR | 84,800 | 90,800 | 101,800 | 2018/9 |
iPhone 6sで最高値モデルが10万円を超えたことで話題になりましたが、僅か2年後のiPhone Xでは最安値モデルが余裕の10万円超えを果たしています。
この表から各年のiPhoneの最高値と最安値の推移をプロットしたのが下の表です。
確かに、ティム・クックCEOの言うように2018年モデルでは「価格の幅」が広がっていますね。圧倒的に高い方に。。。
ちなみに2016年は3月にiPhone SEが投入されたことで最安値が下がっていますが、iPhone 7は全体的に価格が抑えられていたのも事実で、最高値も落ちています。
日本人はiPhone XSを買えるのか?
ここから更に悲しいお話になっていきます。日本の平均年収を調べてみました。
最新の統計は2016年(仕事遅い)です。この資料によると2016年の平均年収は422万円。2015年は420万円、2014年は415万円です。ところがこの「平均」というのが曲者で、少数の高給取りが入るだけでガクッと上ブレします。例えば、99人の400万の中にたった1人の10億円が入ると平均は1,396万円になってしまいます。今の日本も格差社会になってしまいましたので、このようなことが起こっています。
そこで数値順に並べて真ん中の人の値をピックアップする「中央値」が注目されています。この中央値は2016年の値で350万円くらいと実に平均よりも70万円も低い値ですが、確かに肌で感じる「平均」はこんなものですよね。
同じく統計では賞与の占める割合は1/4程度とのことですので、年間4ヶ月分とすると350 / 16 = 22万円程度が月収、税金や社会保険料を引かれると手取りは17~18万円くらいでしょうか。つまり日本人の二人に一人くらいは月の手取り給与で、税込177,984円のiPhone XS Max 512GB版は購入できないという事になります。。。
最近のAppleは廉価モデルをラインナップしてきましたが、今回は「iPhone XR」という廉価モデルを投入しました。XRのRはrenkabanのRなのでしょうか?(笑) 84,800円~という価格は新興国向けと言うには高価過ぎますが、iPhone XS Maxの512GBモデルから見れば半額近い価格で、日本市場にはマッチした価格帯かもしれません。個人的には税込で91,584円も出して「廉価版」を買うのには抵抗を感じますが、人々はそれでも「iPhone」を求めるのでしょうか?
わたしはもちろん買えません。
私はこの数年はずっとAndroidを使っていますが、iPhoneも持っていますし(5cですが)最初のスマホはiPhone 3GSでした。Appleという会社はあまり好きではありませんが、Appleのプロダクトは好きです。ファブレット好きとしてはついに6インチを超えたiPhone XS Maxには興味津々なのですが、プライスタグを見ると一気に萎えますね。
ティム・クックCEOは高価であることに対して「長く使える」といったコメントもしていますが、現状ではスマホの製品寿命が極端に短いのは事実で、iPhoneだって毎年モデルチェンジしていますからね。例えばカメラのように製品寿命が長ければ価格の捉え方も変わってくるのですが。
逆に買える人にとっては「高級品」としてのiPhoneを所有できてステータス性は上がりました。iPhoneに限らず、車なども最近は高級車メーカーが毎年のように増収増益ですので、Appleがどうのという話ではなく、単にそういう社会になっただけなのかもしれません。
もう庶民はZenFoneでイイジャン。
ではまた!
Source : Apple
Apple Pencilに対応した新しい「iPad」は本当にお得なのか? | |
「ZenFone 5Z」は「それ、iPhone X?」に耐えられるのであれば史上最高のコスパ! | |
Essential Phone PH−1レビュー「あの悪い評判は本当か?」 |
ASUS ZenFone 5 【日本正規代理店品】 6.2インチ / SIMフリースマートフォン/スペースシルバー (6GB/64GB/3,300mAh) ZE620KL-SL64S6/A