色々凄かったです。立山黒部アルペンルート。十分楽しめたのですが、正直色々舐めていました。「こうすればよかった」と後悔だらけですので、実際に行ってみてわかった、立山黒部を楽しむ為の注意点などをご紹介したいと思います。
「黒部ダム」「立山黒部アルペンルート」は誰でも聞いたことがあると思います。
富山と長野は立山連峰と飛騨山脈が間にあります。この立山連峰と飛騨山脈を貫くルートが立山黒部アルペンルートです。富山と長野を直接結ぶ交通はこの立山黒部アルペンルートだけです。地図平面上では25キロほどの距離なのですが、高低差が激しく最高地点とは2000mもの高低差があります。そしてその立山黒部アルペンルートの途中にあるのが日本一の堤高(ダムの高さ)を誇る黒部ダムです。
1日で往復はきびしそう 立山黒部アルペンルート
立山黒部アルペンルート運営会社の公式ホームページに掲載されている図です。このホームページは非常に情報量が多く注意点や季節ごとの推奨服装なども解説されていますので、立山黒部アルペンルートへ行く人は必ず目を通してください。
長野側の扇沢(長野側は自家用車でここまで行けます)から富山側の立山駅まで、上記の所要時間を加算すると片道で110分ですので、朝一に行けば往復できるかな?と思いますが、実際には乗り換えの時間(ケーブルカーやトロリーバスは20~30分間隔)や観光する時間を考慮するとかなり厳しいです。特に立山ロープウェイが他に比べて極端に輸送力が劣る感じで、ここでかなりの待ち時間が発生します。
富山側からの場合は黒部ダムまで、長野側からの場合は最高地点の室堂までは行きたいところですが、どちらの場合も立山ロープウェイの混雑具合がポイントになると思います。いずれにしても出来れば朝一とは言わないまでも朝のなるべく早い時間に立山駅または扇沢に到着するのが良いでしょう。自家用車ではなく公共交通機関での旅行で、通り抜けてしまう場合は余裕がありますが、それでも早い時間に行くのが良いと思います。思ったよりも時間がかかります。
今回は長野側から室堂まで行く予定だったのですが、上図の所要時間をみて「まぁ昼前くらいに扇沢につけば十分じゃね?」と舐めてかかった為に黒部平で折り返す事になってしまいました。無念。
余裕をかまして道の駅「安曇野松川」でソフトクリーム食べたりしてました。
平野部は晴天で非常に過ごしやすい気候でした。のどかな風景の先に見える山並みを見て「いい天気だなぁ~やっぱり日頃の行いかな!」とか言ってました。
既に寒い!長野側の出発地 扇沢
立山黒部アルペンルートの長野側の起点となる扇沢です。ここまでは自家用車で来ることができます。既に標高1433mで、車を降りた瞬間に「寒っ!!」という感じです。室堂は5月でも氷点下との情報を得ていたので、コートを用意して袋に入れて持っていくつもりでしたが、この時点で着てしまいました。
ここからトロリーバスと呼ばれる電気式のバスに乗って黒部ダムに向かいます。所要時間は16分で、30分間隔で運行しています。我々が行った時は、1セットで6台が集団で運行(待ちの乗客数とかで調整しているのかな?)していて、積み残される人はいませんでした。バスの車内では黒部ダムの歴史などの解説が流れていて退屈はしませんでした。
扇沢で目的地である室堂までの切符を買おうとしたのですが、窓口で「時間的に厳しいので取り敢えず黒部ダムまでだけの切符を購入されたほうが良いです」と言われてしまいます。バラバラに買っても値段は同じとの事なので、言われたとおりに黒部ダムまでの往復切符だけを購入しました。この時点では、まだ「そんなゆっくり観光しなければ室堂まで行けるじゃろ?」くらいに思っていました。
扇沢のターミナルには立山黒部アルペンルートの各地のライブ映像が気温などと共に流れています。最初の目的地、黒部ダムは扇沢とほぼ同じ標高なので気温も変わらないくらいですが、とても寒そうな映像が流れています。
黒部ダムからケーブルカーで黒部平へ、さらに問題のロープウェイで渡った先の大観峰です。標高2312m、気温2度、、、なんか吹雪いているようにも見えます。
そして目指す最高地点の室堂です。標高2450m、気温1.9度。公式ホームページにはマイナス5~10度と書いてあるので温かいほうなのですかね、、、どう見ても冬山です。我々のような甘い連中が適当に歩きまわると遭難するやつです。しかしこの期に及んでも「1.9度なら暖かいじゃん!いけるいける。行こうよ!」と思っていました。
ちなみに扇沢の駐車場には「無料駐車場」と「有料駐車場」があります。
我々は何も考えずに無料駐車場へ入ったのですが、地図上の距離はともかく扇沢のターミナルとは高低差が激しくて、歩くのが結構きつかったです。有料駐車場は12時間1000円と、24時間1000円のエリアがあって、何れにしても安いですし、時間も勿体無いので有料駐車場をおすすめします。昼頃の遅い到着でしたがまだ空きがありました。
日本一の黒部ダム
関西電力により作られた発電用のダムで、世界的に見ても大規模なダムだそうです。高さ186mと日本一を誇ります。
トロリーバスで到着しました。立ちはほとんどいませんでしたが6台分ですので結構な人数が降りてきます。ちなみにこの停留所はまだ山の中のトンネル内です。
停留所を出てすぐにダム側と展望台の分かれ道がありますが、ダム側に出るとそのままダムを渡ってケーブルカー乗り場に向かうことになるので、順路的には右の展望台が良いでしょう。ちなみに220段の階段はビルの10~15階くらいを登るのに相当します。気合入れて登ってください。私は休みなしで登りましたが自分の限界に挑戦した感じでした。途中に休憩スペースもあるのできつい人は休みながら。無理に登らなくても黒部ダムは十分楽しめますので、足腰が弱い方は諦めてダム側に向かった方が良いと思います。
この画像は黒部ダムのオフィシャルサイトのギャラリーに掲載されているものです。緑と放水と虹が美しいです。
そしてこちらが現場感あふれるゴールデンウィークの黒部ダムです。。。
思っていたのと違う、、、
ちなみに放水はあくまでも見世物で「観光放水」だそうです。その観光放水は期間が決められていて、まだ期間前でした。観光放水の期間は黒部ダムオフィシャルホームページで確認してください。黒部湖の遊覧船も運行期間外でした。
とは言っても流石に日本一のダムだけあって迫力満点です。
登った階段を降りて、さっきの看板をダム側に進みます。薄暗いトンネルを抜けるとダムに出ます。
バイオハザード感のある枝道
山肌を降りるルートもあります。どうせならこっち降りたほうが良かったかな?でも死ぬほど寒かったのですよ、、、
展望台も屋内で休憩できるレストハウスがありますが、ダムの脇にもレストハウスがあります。基本的には観光地ですので、飲食やトイレには困りません。
写真では伝わりませんが物凄い高さで超怖いです。「押すなよ?押すなよ?」とフラグを立てながら恐る恐るのぞき込みます。カメラで写真を撮る時は落とさないようにネックストラップを掛けて撮りましょう。
ダムを渡り切ると、またトンネルに入ります。このトンネルの中に、黒部平行きのケーブルカーの駅があります。
ケーブルカーも多少立ちは出ますが、そこまで混雑はしていませんでした。
物凄い傾斜角です。傾斜角41度だそうです。車内も最後尾から先頭を見るとほとんど真上を見る感覚です。約5分で一気に373mも登ります。
吹雪!押し寄せる中国人観光客の団体!混雑必至のロープウェイ 黒部平
標高1828m、黒部平に到着です。先へ進む場合には、ここで大観峰行きの立山ロープウェイに乗り換えます。目指すアルペンルートの最高地点、室堂までは、あと大観峰への立山ロープェイの7分と、大観峰から室堂までの立山トンネルトロリーバスの10分で、待ち時間を考慮しなければわずか17分の行程。眼と鼻の先です。もちろん行く気満々です!
ところが、ロープウェイ乗場は中国からのツアー客(だけではないのでしょうが)で一杯です。ロープウェイは通常ダイヤではなくフル稼働させているそうですが、なんと1時間半待ちとのこと。この時、時刻は14時。帰りも同じくらいの待ちとのことで、往復で3時間の待ち時間。単純計算で室堂まで行くとギリギリ帰れない計算です。非常に無念ですがここで引き返す事にしました。く~~
黒部平もターミナルの上に展望台があるので登ってみました。
遥か下の方に黒部ダムが見えます。
逆側を見ると立山に向かってロープウェイが伸びています。非常に見えにくいのですが、その先の山肌に大観峰の駅があります。この写真でも良くわからないですが、肉眼でも見えません。
望遠レンズで見てみると、断崖絶壁の山肌にターミナルの入口がポッカリと穴を開けています。秘密基地みたいでカッコいいです。行きたかった。
そうこうしていると、風が強くなって雹降ってきました。横殴りで顔にあたって痛いです。服装はご覧のとおりで、厚手のジャケットの上にコートを着ています。自分の所有するもっとも重装備できましたが、それで丁度くらいです。
無念の途中撤退
さようなら黒部平。今度は万全の体制(つっても朝早く出るだけ)で室堂まで行くぞ!
帰りの黒部ダムから扇沢までのトロリーバスは時間が15時頃で、みんなが帰り始める時間帯ですので少し混みました。取り残されるようなことはありませんでしたが、立ちも含めて全車満杯でした。
扇沢でお土産を買って、「ダムドック」をかじって撤収しました。ダムドックはどこらへんがダムかよく分かりませんが、疲労困憊&空腹だったのでおいしく頂きました。ちなみにターミナルの1階で売ってます。
立山黒部アルペンルート観光の注意点まとめ
富山県側と長野県側のどちら側から行くべきか?
立山黒部アルペンルートは富山と長野を結ぶルートですが、通り抜けないで引き返す前提の場合、富山側と長野側のどちら側から行くのが良いのでしょうか?私は長野側からをおすすめします。長野側から行く場合には、目的地は今回私達が目指した最高地点の室堂になると思います。逆に富山側からだと、黒部ダムが目的地になるでしょう。それぞれ扇沢と立山駅を起点に考えた場合の片道の所要時間は
扇沢→室堂 53分
立山駅→黒部ダム 94分
となり圧倒的に長野側の扇沢からのアプローチの方が短時間になります。
ただし、富山側から行く場合には、日本一の落差を誇る称名滝の観光を組み込む事ができます。日本一と言われると行かないわけには行きませんよね。この称名滝を考慮に入れれば富山側からのアプローチも捨て難いものになります。
どの季節に行くべきか?
そもそも立山黒部アルペンルートに立ち入れるのは4~11月までです。冬場は立ち入ることはできません。正確な日付はその年によって異なるようですので微妙な時期に行く場合には公式ホームページで確認する必要があります。時刻表も季節によって運行時間が変わりますので要注意です。
立山黒部アルペンルートの季節は平野部とは全く違います。今回私達が行ったゴールデンウィークは「春」ではなく「真冬」でした。春に雪景色を見に行くか。夏に避暑&緑を見に行くか。秋に紅葉を見に行くかの選択になります。厳しい雪山も確かに貴重な経験ができて良いですが、夏か秋が綺麗で良さそうに思えます。
個人的には夏の室堂を散策してみくりが池やみどりが池が見たいです。
また、黒部ダムの観光放水のスケジュールも黒部ダムオフィシャルサイトで確認しておいたほうが良いでしょう。
運賃は結構良いお値段です。
当然ながら乗り物には運賃が必要ですが、なかなかのお値段です。扇沢から室堂までの運賃は片道で5,860円です。往復だと軽く1万円を超えるので、予備知識無しで現地へいった私たちは、運賃表をみて一瞬怯みました。しかしここまで行ってそれくらいのお金をケチることもないでしょう。行くしかありません!その価値は十分にあります。ちなみに扇沢では切符やお土産の購入にクレジットカードが使用できます。
各展望台等で入場料が必要なところはありませんでした。
とにかく早起きで!
今回は色々と期待と違った部分はあったのですが、決定的だったのはやはり現地入した時間が遅すぎた事です。昼頃の扇沢から室堂までの所要時間がストレートに行けば1時間弱でしたので余裕だろと思っていたのが一番の誤算でした。どの季節でも混雑はすると思うので可能な限り早い便で出発するのが良いでしょう。油断大敵!
場所柄バリアフリーではありません。
場所が場所ですのでエスカレーターやエレベーターはありません。トロリーバス乗場、ケーブルカー乗場など階段があります。しかしある程度は車いすなども対応してくれるようです。流石に黒部ダムの220段の階段を上げてもらって展望台へとはいかないでしょうが、アルペンルートを進む事はできそうです。
足の弱いお年寄りや、車いすでも黒部ダム、アルペンルートを観光できますか? – 黒部ダムオフィシャルサイト
今度は夏か秋かにリベンジしたいと思います。でも、冬山もそれはそれで楽しめましたよ。
Source : 立山黒部アルペンルート 黒部ダム