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カメラ

ミラーレスカメラの「EVFの遅延」とはなにか?なぜ起こるのか?

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ソニーのα9とα7シリーズに続いて、遂にニコンからZ7とZ6、キヤノンからEOS Rが登場しました。今までソニーの独壇場だったフルサイズミラーレスが一気に盛り上がってきました。しかしミラーレスカメラには従来よりEVFの決定的な弱点がありました。そう「遅延」です。ところが、そのEVFの遅延についてはなぜか雑誌も大手メディアも多くを語らず、誤解が多そうですので「EVFの遅延とはなにか?」「なぜEVFの遅延が起こるのか?」について解説したいと思います。

私はスナップや風景写真も撮りますが、もともとはレーシングカーや飛行機を撮るためにカメラ沼に飛び込みました。そんな訳で「動いているものを撮る」という観点からカメラを見ています。個人的には止まっているものを撮るのであればどのカメラのEVFも大差はないと思っています。

レリーズしていない時のEVF

まずはシャッターを切っていない状態でのEVFの見え方からです。これは解像度やfpsなどのスペックが機種ごとに違いますが、あまり気にする必要はありません。実際に私が初めて使ったα65(2012年1月発売)で動体を追ってもまったく問題を感じませんでした。

もちろんfpsによって厳密にはEVFの表示に遅延が発生しているのですが、実際に撮影する時にそれが足枷になるようなことはないと思います。店頭でシャッターを切ることなくカメラを振って「EVFに遅延はない」と言っている人を見かけますが、それではEVFに遅延があるのかはわからないのです。

問題となる「遅延」とは「連写中のEVFの表示」

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ではなぜ「EVFの遅延」が問題視されているのかと言えば「EVFは連写中に表示がパタパタ漫画になる」からです。

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これが「EVFの遅延」です。

撮影者は被写体をファインダーに捉えているつもりですが、実際の被写体はもっと先へ進んでしまっています。慣れてくれば一定方向へ等速で進む被写体であれば感覚で追い続けることもできなくはありませんが厳しいですし、被写体の一点にレティクルをあわせ続ける流し撮りは絶望的です。レーシングカーや飛行機などはもちろんのこと、一般の方が走り回る子供を撮るようなシーンでも問題となるでしょう。

なぜこのようなEVFの遅延が発生するのか?をわかりやすく解説するために、EVFとOVFのブラックアウト(EVF遅延)の比較図を用意しました。

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このように一眼レフカメラのOVFがブラックアウトするのは[撮影中(露光中)]のミラーが上がっている時間だけですが、ミラーレスカメラのEVFは[撮影中] + [イメージセンサーからデータを読み出している間]のダブルパンチでEVFが更新できません。

例えば2000万画素台のカメラのRAWデータだと20~30MBありますし、高画素機になると40~80MB。これだけのデータをイメージセンサーから読み出していますので結構な時間が掛かります。

これは長年のミラーレスカメラの課題で、実質的に「ミラーレスは動体を撮るのに向いていないカメラ」となっていました。メーカーはAF性能や連写速度をアピールして、さも動体も撮れるような宣伝をしてきましたし、なぜかカメラ雑誌などでも解説されることはほとんどありませんが、ほとんどのミラーレスカメラの現実がこれです。

EVFの遅延問題をクリアできたミラーレスカメラはまだほんの一部

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しかし近年、このEVFの遅延を克服したミラーレスカメラも登場しはじめました。

実機のEVFの遅延を見る時には連写しながら自分の手を左右に振ってみると一発でわかります。私は大体の機種はこの方法でEVFの遅延を見てきましたが、20万円以下のミラーレスカメラでEVFの遅延が感じられない(もしくは非常に小さい)のはα6300とα6500だけです。α6000も一段落ちますがまぁまぁです。パナソニックやオリンパスの機種は20万円オーバーのハイエンド機は悪くありませんが、20万円以下の機種はさっぱり。富士フィルムのミラーレスカメラは20万円以上の機種も含めて話にならないレベルです。とても動体を撮れる代物ではありません(2018/11/11 追記 新発売のX-T3はパタパタ液晶ではありませんでした)

ソニーのα7II世代はひどいパタパタ漫画ですが、第3世代のα7IIIやα7RIIIでは遂に克服しました。実機で試してみると本当に見事です。α7IIIは価格面も含めて考えれば今現在では最もおすすめなミラーレスカメラと言ってさしつかえないでしょう。10年近くEVFを開発し続けてきた努力が遂に実った感があります。

α9に至っては「ブラックアウトフリー」と、のたまうだけあり遅延がどうのというレベルではなく、シャッターが切れたのがわかりません。これは「データ読み出しが超高速」なメモリー積層型イメージセンサーによって実現されています。この技術が普及帯に降りてきた時が一眼レフカメラの命日になるのではと思っています。

最新のニコンZ7、Z6や、キヤノンEOS Rについては、それぞれのショールームに出向いて実機を試してきましたので、後の記事にてレポートしようと思います。

ではまた!

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