日本通信SIMの一番安いプラン「合理的シンプル290プラン」を契約してみましたので、回線速度や使い勝手をレビューしたいと思います。ググると「評判」とか「やばい」とか「つながらない」なんてサジェストされてしまいますが、格安SIMならぬ激安SIM「合理的シンプル290プラン」は使い物になるのか!?
日本通信SIMの合理的プランはドコモ回線です。「つながらない」とのサジェストがありますが、対応するバンドはドコモのSIMと同じであり、つながるかどうかもドコモのSIMと同じです。ドコモ回線を使用するMVNOですので、ドコモのSIMロックが掛かったスマホでもそのまま使えます。
5Gは初期状態では無効となっていますが、スマホアプリから簡単かつ無料で有効にすることができます。
5Gオプションが有効の場合には3G通信ができなくなるため、5Gオプションが無効がデフォルトになっているのでしょう。実際に切り替えて5Gで接続できましたし、後述の回線速度の実測で5Gの時に通信速度が向上するのも確認しています。5Gオプションの切り替えは下記のように即時ではありませんが、今まで速度計測のために数回切替たところでは数分で切り替わりました。
その他の手続きもアプリからわかりやすく簡単にできるようになっています。解約の仕方がわかりにくいなんてこともありません。その解約に関しても最低使用期間などの縛りもなく、解約手数料やMNP転出手数料もありません。とても良心的な料金設定だと思います。料金などの詳細は下のリンクで確認してください。
通話にも対応していて、料金は30秒11円と通常の半額で通話することができます。700円で月合計70分間までかけ放題の「70分無料通話オプション」や、1,600円で無制限となる「70分無料通話オプション」などの通話オプションも用意されています。
安価で柔軟な容量の追加
合理的シンプル290プランはその名の通り、月額290円で利用できます。ちなみに税込みですよ。税込み。回線の維持だけの料金ではなく、1GBの通信容量がついています。1GBで足りる人って意外と多いと思うのですよね。
それでも旅行などに行くときにはもう少しまとまった通信量を使用しますが、合理的シンプル290では1GBを税込みで220円で追加することができます。これまた安い。
この通信容量の追加は自動的に行われますので、実質的には1GB刻みの従量制料金と考えることができます。1GBまで290円、2GBまで510円、3GBまで730円といった感じです。毎月3GBまで使うのであれば、他に選択肢もありますが、ポイントなのは「あまり使わない時には290円で済む」と言うところです。
また、通信容量の上限をアプリで制限することができます。これは例えば2GBに設定すると「2GBのプラン」となる訳ではなく、1ヶ月間に1GBしか使わなければ1GBの料金290円しか請求されません。あくまでも上限です。上限を1GBにしておいて、上限に達してしまった時に上限を引き上げて容量を追加するかを判断することができます。まぁ1GB220円なので追加する訳ですが、知らない間にアホみたいに使っていたという事態は避けられます。
ちなみに、1ヶ月の区切りが月初や月末などの決まった日付ではなく、使用開始した日ですので契約した日によって損をするということはありません。
【実測】合理的シンプル290の回線速度
いくら料金が安いと言っても、通信品質が悪くて使い物にならなければ本末転倒ですので、平日の1日の通信速度を計測してみました。夕方以降にも使用量が多いと思われる金曜日に計測しました。忘年会シーズンですので普段よりも通信量が多いのではと思います。計測にはRBB SPEED TESTを使用しています。
ランチタイムが一番気になるところですし、変動が大きいところですので12時台は15分おきに計測しています。5Gオプションは有効にして計測していますが、計測地点が5Gのエリアの端の方のためか、時間帯によって5Gになったり4Gになったりしました。実測値の30Mbps程度出ている時が5Gに接続できている時です。
時間 | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) |
---|---|---|---|
8:00 | 18.64 | 6.20 | 46 |
9:00 | 45.09 | 17.67 | 70 |
10:00 | 27.66 | 5.97 | 72 |
11:00 | 26.63 | 5.08 | 59 |
12:00 | 20.62 | 4.21 | 46 |
12:15 | 0.83 | 5.65 | 46 |
12:30 | 0.96 | 2.66 | 63 |
12:45 | 1.04 | 3.94 | 50 |
13:00 | 17.24 | 6.38 | 60 |
14:00 | 26.03 | 7.82 | 59 |
15:00 | 20.45 | 6.37 | 49 |
16:00 | 46.71 | 35.21 | 51 |
17:00 | 17.66 | 6.01 | 50 |
18:00 | 8.04 | 2.11 | 59 |
19:00 | 21.40 | 37.20 | 47 |
20:00 | 18.83 | 12.83 | 49 |
21:00 | 14.78 | 6.72 | 46 |
22:00 | 8.92 | 6.89 | 56 |
MVNOですので、平日のランチタイムは厳しい値となるのは当然ですが、それ以外の時間帯は十分な通信速度です。ランチタイムも画像が表示されるのがワンテンポ遅れますが、SNSなどは十分に実用範囲だと思います。料金を考えれば、もっと酷い値を予想していましたが、一般的な格安SIMの通信速度だと思います。
【実測】合理的シンプル290の容量を使い切った時の低速モードの速度は?
合理的シンプル290で設定している上限まで使った時はどうなるのでしょうか?実は合理的シンプル290では通信不能になるというのが本来の仕様です。シンプル290以外の合理的プランでは低速モードに制限されるのですが、シンプル290だけは通信不能になります。
しかし「本来の仕様」と書いたのは、今はそうではないということです。
現在は合理的シンプル290も、他の合理的プランと同様に低速モードに制限されるようになっています。通信不能になると通信容量の追加もできませんからね。問題がない限りはこのまま無期限で低速モードへの制限を継続するのではないかと思います。
さて本題ですが、実際に上限まで使って、低速モードの通信速度を実測してみました。RBB SPEED TESTだと上りがエラーとなって計測できませんでしたので、NETFLIXのFASTで計測しました。
結果は、3回計測して130~150Kbpsでした。合理的シンプル290プランの低速モードの通信速度はおおむね150Kbps弱といったところです。実際にSNSやウェブなどを見てみましたが、この速度だとさすがに厳しい感じです。音楽ストリーミングも再生できないことはありませんが、再生開始に何十秒もかかったり、途切れ途切れになったりで実用に足る感じではありませんでした。余程特殊な用途でない限りは、素直に通信容量を追加するのが良さそうです。
今回はAndroidナビ用に「普段はほとんど使わないので固定費はできるだけ安く。使う時には柔軟にギガが追加できる」 SIMを探していて合理的シンプル290プランに行きついたのですが、試しにメインのスマホで使ってみて「あれ?もうこれで良いんじゃね?」と思いました。ググると「つながらない」とか「やばい」なんてワードがサジェストされてビビりますが、回線品質は至って一般的な格安SIMのそれです。非常にシンプルで、月の区切りが月初ではなく使用開始日だったりと、企業の姿勢としてもとても真摯なものを感じます。コストパフォーマンス抜群で明朗会計。アプリの使い勝手なども良く、私は気に入りました。
ヘビーユーザーにはお勧めしませんが、今はテレワークも広がって「普段は家にいるからあまりギガ使わないよね」という人は多いのではないかと思います。普段はそれほど依存度が高くなく格安SIMとしての使い勝手は確保した上で、できるだけ月額料金を抑えたいといったニーズや、私のようにナビやタブレットのサブ回線用途には合理的シンプル290プランはおすすめだと思います。
通常の初期手数料は3,300円ですが、下記のパッケージを使用すると多少節約できます。
source:日本通信SIM