MVNOと言えばSIMフリー端末とdocomo系格安SIMの組み合わせが定番ですが、au系のMVNOであるmineoとUQmobileが良さげな感じなので調べてみました。
私は音声通話のできるプランでメイン回線として考えていますので、本投稿は特に断りのない場合は音声通話プランについて記述しています。データ通信のみで考慮した場合はまた違った内容になる部分もありますのでご注意ください。またiPhoneも事情が違ってきますが同じく購入予定がないので考慮していません。
au系MVNOとは
格安SIMと言えばdocomoから回線を借りて営業しているMVNO(IIJmioやNifMoなど)が定番ですが、auから回線を借りているMVNOも2社あります。mineo(マイネオ)とUQmobileです。docomo系が定番なのはSIMフリー端末と組み合わせるのが前提だからなのだと思いますが、au系のMVNOは基本的にauの端末と組み合わせて使用する事になります。
メリット1 端末が安い
auは音声通話が他とは異なるCDMA2000と呼ばれる通信形式を採用していますので、au系(au本体含む)SIMをSIMフリー端末との組み合わせで音声通話をする事はできません。その為au系のMVNOは基本的にauの端末を使用する事になるのですが逆にそれがメリットになります。なぜならauの端末は安く取引されているからです。
下表は今が買い時のXperia Z3の相場です。
au版 | 40,000円~ |
docomo版 | 48,000円~ |
SIMフリー版 | 62,000円~ |
機種や時期で端末の値段は違ってきますが、auが安価でSIMフリー版が高価なのは変わりありません。やはりMVNOはdocomo系が多いので自然とこうなるのだと思います。
メリット2 難しい事を考える必要がない
SIMフリー端末をdocomo系MVNOと組み合わせて使用する場合は、その端末がdocomoの周波数帯をどこまでサポートしているかのチェックが必要です。これは機械に明るくない人には敷居が高いでしょう。周波数帯とSIMフリー端末の関係については下の投稿でZenfone2を例に説明しています。
ZZenfone2の国内版と海外版の違いを調べてみました。 |
ところがau系MVNOはauの端末であれば大体使えます(MVNOのHPで対応機種一覧があります)。そりゃau回線用の端末をauの回線で使うのですから当然です。docomo系MVNOとdocomoの端末もこの件に関しては同様ですが、別の事情があってこの組み合わせではテザリングができません。au系MVNOはテザリングもできます。
上の投稿で「取りあえず格安SIMとSIMフリー端末を買えば良いんだろ?」はそうではなかったと書いていますが、au系は「取りあえずau系の格安SIMとau端末を買えば良い」のです。
2015/7/21追記
au系MVNOは現在VoLTEの端末が使えないようです。2014年末頃以降の端末が対象でXperiaで言えばZ4がVoLTE端末です。Z3は大丈夫です。VoLTEの機能が死ぬだけで3Gで音声通話できるのだと思っていましたが、どう音声通話そのものができないようです。対応中とのことです。
動作確認端末一覧 mineo
動作確認端末一覧 UQmobile
メリット3 多分パフォーマンスが安定している(じゃないかなと思う)
これはあくまで私見であってデータ的な裏付けがある訳ではないのですが、単純にdocomo系とau系それぞれでの合計の契約者数を比べると圧倒的にdocomo系が多いはずです。例えばどこか一か所が非常に条件や回線品質が良いとなった時に移動する人口も多いと言うことです。つまりちょっと前まで非常に高速だった回線品質が急に劣化する可能性があります。契約者が増えたなら設備を増強すれば良いじゃないと思うかもしれませんが、明日にはまた契約者が減ってしまう可能性もある訳ですので会社にとっては設備投資はかなりのギャンブルです。逆にau系は総人口が少ない訳ですので契約者の増減を予想しやすい=回線品質が安定しやすいのではと思います。
デメリット1 3G回線でのデータ通信ができない
au系のMVNOでは3G回線でのデータ通信はできません。データ通信はLTE回線のみです。では3G回線とLTE回線の対応エリアの差が気になるところですが、私が日本各地を無作為に何か所か見た限りではほとんど変わらないです。下は岡山の山間部を抜粋した図です。3Gエリアは薄いピンクの部分もエリア内です。中央付近に多少3Gのみのエリアがありますが、ほとんど変わらないのが分かります。全国的にこんな感じです。
私は現在auを契約中ですが、電波が全く届かないことはあっても3G表示になったのを見た事がありません。一応デメリットとして上げましたが実質問題にならないのではないかと思います。
デメリット2 逃げ場が少ない
au系MVNOは現在mineoとUQmobileの2社だけですので、auの端末を用意した上でこの2社いずれもが使用に耐えない感じになると逃げ場がありません。もちろんdocomo系MVNOへ移れば良いのですが、auの端末は使用できないので買い換える必要があります。
mineo(マイネオ)とUQmobileの比較
mineoとUQmobileの比較を表にまとめてみました。
基本的に機能性はmineoが圧倒的に良いです。UQmobileはパケットの繰越もできなければパケットの追加もできませんので可用性に欠けます。3日制限も厳しいです。ではmineo一択かと言えばそうとも言えなくて、制限が厳しい分だけUQmobileは回線品質が安定しているようです。mineoも決して悪い訳ではありませんが、やはり多くのMVNOと同じく平日のお昼時には1Mbpsを切ってしまうようです。UQmobileはdocomo系合わせてもトップレベルでそのようなアクセスが集中する時間帯でも10Mbps以上を維持しているようです。「使い勝手のmineo」と「速度のUQmobile」といった所でしょうか。
mineoはマイネ王という公式ブログでMVNOの仕組みや裏事情などを詳しく分かりやすく解説しています。積極的に情報を公開していく姿勢は好感がもてますし、ユーザーが仕組みや事情を知っていれば不満なところも「ま、しょうがないよね」と思うこともあるでしょう。お互い良い事だと思います。しかしNMP転出には実質的な違約金が発生するのに「最低利用期間の縛りはありません。」とアピールするのはどうかと思います。
MVNOのNMPは通常NMP転出してからMVNOに申込み、MVNO側で転入処理をしたSIMを送ってくるので数日間はスマホが使えなくなりますが、UQmobileは即日開通可能ですし、まだ少ないですが提携店舗で手続きして即使うことができます。これなら設定等に不安を感じている人も安心です。
UQmobile 販売店舗一覧
まとめ
ざっくりまとめるとこんな感じです。
ドコモ系MVNO + ドコモ端末 → テザリングができない
ドコモ系MVNO + 海外版SIMフリー端末 → 端末が高い
au系MVNO + au端末 → テザリングもできるし端末も安い
ドコモ端末はソフトウェア的な細工でテザリング出来るものもありますが、それに伴う障害等もよく聞くのでやはり敷居は高いと思います。
私は現在auのXperia ZL2を所有していますので、取りあえずそれを活かしてau系のMVNOにしてみようかと思っています。平日昼は会社のPCでネット見てますし、普段はtwitterくらいだけど、旅行時にはガンガン使ったり、いざという時にはテザリングで使いたいといった感じですのでmineoを契約するつもりです。パケット繰越とパケット追加が可能で3日制限が緩いのが決めてですね。
下記で速度や価格を具体的に比較しています。
デジモノステーション付属SIMでmineoとauの速度を比較してみました。 | |
MVNO(格安SIM)がどれくらい安いのか計算してみました。 |
ではまた!
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