防災意識が高まったり、キャンプがブームになったりで、最近よく目にするようになったポータブル電源ですが、結構良いお値段しますよね。まぁあれだけ巨大なリチウムイオン電池ですから、そりゃ高いのはしようがない訳ですが。もう少しお安くなんとかという訳で、車用の鉛バッテリーで代用できないか?という話を紹介します。
私はあまり防災意識は高くありませんし、キャンプも興味がないわけではありませんが。。。しかし趣味半分、節約目的半分で、自分で愛車のメンテナンスや修理(車が古くなってきてレストアじみてきた)をしていますので、さまざまな電動工具を使用するのですが、賃貸アパート暮しですので当然ながら駐車場にコンセントがある訳ではありません。最近流行のポータブル電源があれば便利だよねとは思うのですが、良いお値段ですしね。。。
そこで、私は車用の鉛バッテリー+インバーターを組み合わせてポータブル電源として使っています。車載されているバッテリーにインバーターを繋いでも良いのですが、私はバッテリーを交換した時に取り外した古いバッテリーをポータブル電源として使用しています。
車用の鉛バッテリーをポータブル電源にするときに必要なもの
まずは鉛バッテリーですが、私は上で書いたようにお古を流用しています。ただ、あとで実測値を紹介しますが、過酷なエンジンルームで数年を過ごして痛めつけられた鉛バッテリーは、相応に劣化しています。私は比較的短時間だけ電動工具が使用できればよいので、問題なく使っていますが、アウトドアで使ったり、防災用の場合には新品を購入した方が良いかもしれません。その場合でも高価な製品ではなく安価な製品で十分だと思います。
今ポータブル電源として使っているのは、青色で有名なパナソニックのカオスですが、値上げされてお高くなってしまいました。現在お手頃な有名メーカー品と言えば、このボッシュのハイテックシリーズだと思います。私も車に搭載するバッテリーをこちらに切り替えました。
サイズなどは単に私の愛車に使っているサイズというだけで、当然ながら、もっと大きいものや小さいものでもOKです。容量や重量などを考慮して選んでください。
次にインバーターです。インバーターとは直流電流を交流電流に変換する機器です。このインバーターによって車用鉛バッテリーの直流12Vをコンセントの交流100Vに変換します。
~W(ワット)というのが最大供給電力で、このワット数を上回る電力を要求する電化製品を使用することはできません。私はこの500Wを出力可能なのインバーターを使用しています。500Wあれば大抵の電化製品や電動工具は使えますし、価格とのバランスも良いように思います。これ以上の電力を供給できるインバーターになると一気に価格が上がります。ベステックは日本のメーカーですので安心感もあります。
あとは、充電器です。
これはインバーターとは逆に、交流100Vのコンセントから直流12Vに変換して鉛バッテリーを充電するものです。最近はパルス充電といって、劣化した鉛バッテリーをある程度復活させることができる機能を搭載していたりします。
車用鉛バッテリーの容量と実際に使用できた電力
さて、気になるのは鉛バッテリーからどれくらいの電力を供給できるのか?ということです。上で紹介したバッテリーの60B19Lの「60」で大体の容量が分かります。この場合は432Whで、432Wの電力を1時間流し続けることができるという電力容量です。ただバッテリーの直流12Vをコンセントの交流100Vに変換したりする時に、かなりのロスが発生しますので、実効容量はかなり低い数値になるはずです。モバイルバッテリーでスマホを充電するときと同じ話です。
今回のテストでは中古のパナソニック・カオスと、新品のボッシュ・ハイテックプレミアムで、扇風機をどれくらい回し続けることができるかの検証を行いました。消費電力も計測していますので実効容量もわかります。とちらもバッテリーのサイズ表記は60B19Lで同じです。前述したようにスペック上の容量は432Whです。
扇風機の消費電力は最大風量で19W程度です。まずはこの最大風量で回し続けて、止まってから風量を下げて残りの電力を引き出します。風量を下げた時の消費電力は4Wです。
では、まずは新品のボッシュ・ハイテックプレミアムからです。最大風量で17時間0分、そこから風量を落として2時間10分で、取り出せた電力は合計で320Whでした。画像では0.31kWh=310Whですが、風量を落としてから0.01kWh=10Whを使用してます。
スペック上の容量が432Whですので実効効率は74%です。
次に中古のパナソニック・カオスです。8年前の2015年製で3年ほど車に使用し、数回バッテリー上がりしたので交換したもので、それから更に数年が経過しているお疲れ品です。充電器で何回もパルス充電しているので、ある程度性能が復活しているかもしれません。
こちらは最大風量で7時間40分、風量を落として2時間10分で、取り出せた電力は合計で150Wh(新品の時と同じく0.14+0.01kWh=150Wh)です。かなりお疲れですね。それでも消費電力が60Wのポリッシャーなら2時間半も動かすことができます。
車用鉛バッテリーをポータブル電源として使う時のメリット
まず、トータルで安価です。上記で紹介したセットで、バッテリーを購入したとしても1万5千円程度です。バッテリーをお古で済ませれば1万円でお釣りがきます。対して同容量くらいのポータブル電源だと3万円くらいにはなります。
また、バッテリーというのは消耗品な訳ですが、ポータブルバッテリーの場合には買い替えにまた高いお金を払う必要があります。しかし、このシステムであれば鉛バッテリーだけを数千円で買い替えるだけでOKです。予備を用意する場合でも同じです。
予備まで用意しないまでも、どうしても「もう少し」という場合には、車に積まれているバッテリーにインバーターを繋いで使用することもできます。しかも、車のガソリンがある限りエンジンをかければ発電し続けてくれます。防災用としても安心感がありますよね。
また、インバーターや充電器はそれ単体で本来の目的に使用することができます。車で旅行に行くときにはインバーターをシガーソケットに挿せば、車内でコンセントを使用できますし、自宅で車のバッテリーが上がってしまった時には充電器があれば、家のコンセントから充電することができます。
パルス充電で劣化した車のバッテリーをある程度リフレッシュすることもできます。
車用鉛バッテリーをポータブル電源として使う時のデメリット
デメリットとしては、まず重量があります。上で紹介したJackeryのポータブル電源の重量は4.1kgですが、鉛バッテリーは10kgくらいの重量があります。また、バッテリー本体以外にインバーターも接続しますのでスマートとは言えません。JackeryやAnkerなどのポータブル電源はかっこよくて所有欲も満たしてくれますよね。キャンプが趣味とかであれば、私もこれらの製品を購入するかもしれません。
また、鉛バッテリーは電力の残量がわかりません。コンセントにワットモニターなどの電力計を繋げば、使用した電力量がわかりますので、使用量から判断できますが、ポータブル電源のようにLEDや液晶の表示で一目瞭然という訳にはいきません。
あとは、鉛バッテリーは縦長の形状ですので倒れる可能性がありますが、液漏れの原因になりますので、横倒しにしてはいけません。運搬時などに気を付ける必要があります。
私はこのようなホームセンターでよく売っているカゴにいれて使っています。持ち運びしやすく収納もスマートにできますのでおすすめです。私が60B19Lとインバーターを入れているのは一番小さな「高さ16.5cm」タイプです。荷物縛り用の丈夫な紐をつけて片手で持ち運べるようにしています。
私のように、車のメンテナンス等を自分でしないと言う人でも、洗車くらいはしますよね?最近は楽なコーティング剤などもありますが、やはり昔ながらの固形ワックスというのは独特の質感があって良いものです。電動ポリッシャーは楽ですよ。塗装がやれた時にはコンパウンドで磨いたりもできますしね。掃除機だって使えます。
アウトドア系でも、Jackeryとかだと、いかにもファミリーキャンプ感がありますが、このシステムだとひと味違う『野営感』が出て良いのではないでしょうか。え?私?私はグランピングが良いです(笑)