「スマホのカメラが進化したのでコンデジはもういらない」なんて良く聞きますよね。実際コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)の販売数は物凄い勢いで年々減少しています。観光地へ行ってもスマホやタブレットで写真を撮っている人が目につきます。本当にコンデジは不要なのでしょうか?ある程度手軽にきれいな写真を撮るにはどのくらいのカメラがあればよいのでしょうか?実際にスマホとコンデジ、ミラーレスの写真を比較してみました。
今回の比較に使用したカメラ
SONY Xperia C5 Ultra
ハイエンドではありませんが、そこそこ高性能なカメラを搭載しています。2015年に自撮性能を売りに登場したスマホです。
スマホのカメラは極一部を除いて光学ズームは搭載されていません。デジタルズームだけです。デジタルズームは単純に画像を拡大しているだけなのでズームしただけ画像が荒くなります。非常に小さいイメージセンサー&非常に小さいレンズで、ハードウェア的にはかなり条件が厳しいのですが、スマホは競争が激しいため技術の進歩でかなりよく写るようになったと言われています。
Canon IXY630
数年前にモデルチェンジ間際の特売品を購入しました。当時Wi-Fi搭載で最安だったコンパクトデジカメです。カメラは安価な機種ほど頻繁にモデルチェンジします。コンデジは毎年のようにモデルチェンジしますので、このIXY630もわりと最近買ったはずですが、既に2世代新しいIXY650になっています。しかしぶっちゃけ画素数が少々上がるくらいであんまり変わっていないと思います。
スマホと同サイズの非常に小さいイメージセンサー&スマホよりはだいぶ大きいレンズで、物理的なハードウェア条件的にスマホよりかなり有利です。
今回は詳しい解説は省きますがイメージセンサーが小さい方が望遠になるため、コンパクトデジカメは大きなイメージセンサーを持つミラーレスよりも小さいレンズで望遠に写せますが、イメージセンサーが小さいということは端的に言って画質が悪いということです。
SONY α5000
ブログの屋内取材用にと購入したミラーレスカメラです。ミラーレスカメラと一言で言ってもイメージセンサーのサイズは小さいものから大きいものまで様々ですが、α5000はAPS-Cという一般的な一眼レフカメラと同じサイズの大型のイメージセンサーを搭載しています。またレンズ交換式ですので望遠レンズや広角レンズなど様々なレンズを使用することができます。
スマホやコンデジに比べると、イメージセンサーのサイズもレンズのサイズも非常に大きいので当然ながら格段に綺麗に写りますが、本体は小型化できているものの、どうしてもレンズのサイズが大きくなり嵩張ります。一眼レフカメラに比べれば格段に小さくなってはいるのですが。
(なぜレンズが大きいかと言えば上で触れたようにイメージセンサーのサイズが大きくなると望遠倍率が下がるため、同じ大きさに写そうとするとレンズが大きくなるのです)
上の写真でα5000に装着しているレンズはIXY630のレンズよりかなり巨大(しかも電源OFFでも引っ込まない)ですが、このレンズでもIXYの最大望遠よりもかなり小さく写ってしまいます。IXYの最大望遠と同じくらいに写す為には左上に写っている200mmくらいのレンズが必要です(写真の200mmのレンズは一眼レフ用で、ミラーレス用はもう少しコンパクトです)。綺麗に写すためには携帯性を大きく損なうのが痛いところです。
望遠なしの画像
上からXperia C5 Ultra、IXY630、α5000の写真です。最低の望遠倍率(広角)で写しています。
Xperiaの写真はパッと見ではコントラストが高く発色の良い写真に見えますが、かなりデジタルで画像を補正しているようで作り物っぽい画像です。現実の色合いとはかなり違います。このようにパッと見るとスマホやコンデジでも十分きれいに見えますが、分かりやすいところで右上の家屋を拡大してみると、、、
XperiaやIXY630の写真はノイズが多くボソボソしていて、α5000が飛びぬけて綺麗に撮れているのがわかります。またXperiaは空を青く見せようとしているのか、写真全体が青み掛かっています。確かに空や草は鮮やかに見えますがそれ以外はちょっとおかしな色合いになっています。
望遠画像
次は望遠の比較です。同じく上からXperia C5 Ultra、IXY630、α5000の写真です。
Xperiaはデジタルズームですが、画像処理が優秀なのか意外と綺麗ですね。もっとガッタガタの写真になるかと思っていましたので驚きです。しかしそれはあくまでも「誤魔化すのが上手」なだけで、綺麗に撮れているわけではありません。これも少し拡大してみましょう。
Xperiaはハードウェア的な条件を考えれば凄く頑張っていますが、流石に限界です。IXY630は小さめの画像でみれば綺麗に見えますが、クリックして大き目の画像を見てみるとα5000に比べてかなりノイジーです。
ちなみに上の写真はXperiaの最大のデジタルズームに望遠倍率を揃えています。IXY630は最大望遠で下の写真まで大きく撮れます。α5000のダブルズームレンズキットの210mmでもほぼ同サイズまで望遠で撮れます。
この最大望遠で細部をIXY630とα5000を比較してみます。上がIXY630で、下がα5000です。
このくらい望遠になるとIXY630のボソボソ感が顕著になります。α5000はちょっとピンぼけですが、画質の滑らかさは伝わると思います。
今回は晴天の日光が眩しいくらいの光量で、カメラにとっては非常に良い条件での比較です。カメラは光学機器ですので、光量に非常に敏感で少し暗くなると途端に画質が低下します。少々暗くても問題にならない人の目は非常に優秀で、我々が購入できる範囲のカメラは人の目の性能には遠く及びません。次回は後編として薄暗くなった夕方での比較をしたいと思います。
ミラーレスはどうしてもレンズが出っ張るので嵩張りますが、単に写真を綺麗に残すというだけではなく、レンズを交換したり設定を弄ったりして色々な写真が撮れて楽しいです。今は高性能なミラーレスが安く買えるようになったので個人的には「コンデジを買うくらいならミラーレスを」と思います。普段なかなか趣味にお金を使えない所帯持ちのお父さんも「子供の写真を綺麗に撮る」という大義の元に訴求しやすいのではないでしょうか(笑)
ではまた!
その写真、本当にスマホで良いの?スマホ、コンデジ、ミラーレスを比較しました(後編) |
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