JAFの出動理由のランキング第1位は「バッテリーあがり」だそうです。これから出かけよう、もしくは出先でこんな事態になると面倒ですよね。JAFを呼んでも2、3時間待つこともありますし。そんな時に助かるジャンプスターターになるモバイルバッテリーを入手しましたのでレビューしたいと思います。実際に半年間、車の中に常備しての長期テストをしています。
製品にはしっかりした作りの専用ポーチが付属しています。付属物は全てこのポーチに収納しておくことができます。 リチウムイオン電池は熱に弱く高温にさらされると劣化が早まります。しかし車の中に常備しなければ意味がありませんので、車内では温度的に一番ましであると思われる助手席の下に置いています。
コンセントで充電するためのUSBケーブルやAppleに見捨てられてしまったLightningケーブルのほか、車のシガーソケットで充電するためのケーブルも付属していますので、車に乗って気が付いた時にサッと充電することもできます。シガーソケット用のケーブルはUSBに変換するわけではなく車両の12VをUSBとは別の端子に接続しますので、5VであるUSBの倍以上のスピードで充電することができます。
車載用らしく電源ボタンの長押しでLEDライトを点灯することもできます。
ジャンプスターターのつなぎ方
まずはモバイルバッテリーにジャンプスタート用のクランプを接続します。車の電装系は12Vと、通常のUSB端子の5Vよりも高電圧ですので、ゴムのカバーが付いています。ここの差し込みが甘くてうまく動作しないパターンが多いそうですのでしっかりと根本まで差し込んでください。
バッテリーへの繋ぎ方は、ブースターケーブルでバッテリー同士を繋げるときと同じです。【プラス端子(赤色)はプラス端子に、マイナス端子は(黒色)はマイナス端子に接続】します。これだけは間違ってはいけません。赤(プラス)をプラスへです。
一般的にブースターを接続する順番は「先に赤をプラスにつないでから黒をマイナスにつなぐ」外すときはその逆で「黒を外してから赤を外す」と言われていますが、実はブースターをつなぐときはあまり関係ありません。とにかく「赤はプラスへ黒はマイナスへ」だけは間違ってはいけません。
この手順は説明書に記載されていますので、一緒にポーチに入れておけば良いでしょう。
半年間の放置でエンジンを掛けることができるか?
いよいよ本題です。テストはバッテリーを外した状態で行っていますので、セルモーターを回すために必要な電力は100%このモバイルバッテリーから供給しています。
半年間の間に「まだ掛かるかな?まだ掛かるかな?」と、購入時、1週間後、1カ月後、3か月後、半年後にそれぞれエンジンを掛けていますが、その間に充電はしていません。またその間はもちろん車に常備していましたが、4月半ばに購入してから記録的猛暑と言われた夏を挟んでの半年間ですのでこれ以上ない過酷な状況でのテストだと思います。
結論を言ってしまえば「半年後も問題なくエンジンを掛けることができました」
半年後にもエンジンを掛けることができましたので、そのままあと何回掛けることができるかエンジンを掛けて切ってを繰り返してためしてみました。満充電から通算すると合計で23回もエンジンを掛けることができました。
購入時 | 2回始動成功 |
---|---|
1週間後 | 1回始動成功 |
1ヶ月後 | 1回始動成功 |
3ヶ月後 | 1回始動成功 |
半年後 | 18回始動成功 |
半年後には残量を示すLEDが1つしか点灯せずに少し不安になりましたが、この残量のLEDは正確性に欠けるようで、半分くらいの残容量で1つのみ点灯になります。
バッテリー電力が少ない状態で、ジャンプスターター用のクランプを接続するとピーピー音で知らせてくれますが、それからでも3回始動することができました。
Amazonの販売ページには「ジャンプスターターとして使用するたびに完全充電してください。」「使わなかったら三ヶ月に一回フル充電する必要はあります。」と記載されていますが、実際には少なくとも半年間の放置で20回以上始動する実力があります。
これならば、車に常備しておいて半年~1年に1回くらい確認&充電をしておけば良いでしょう。かなり心強い結果になりました。
フル充電には何時間必要か?
フル充電するまでにかかる時間を計測してみました。完全に空になっているかどうかは判断できませんが、接続したスマホが充電されないところまで電力を消費してから計測しています。付属のUSBケーブルをAnkerの充電器に接続して充電しました。
経過時間 | 残容量(mAh) | LED | |
---|---|---|---|
開始 | 0 | 1つ目が点滅 | |
1時間 | 963 | ||
3時間 | 2930 | ||
5時間 | 4765 | 2つ目が点滅 | |
6時間 | 5638 | 3つ目が点滅 | |
7時間 | 6585 | 4つ目が点滅 | |
7時間30分 | 6989 | ||
8時間 | 7197 | 4つ点灯 |
充電は5V1A程度で行われ、フル充電までは約8時間ほどでした。10000mAhのモバイルバッテリーとして標準的な充電時間です。
5V x 1A(1000mA) = 1000mAhですのでほぼ理論値通りの充電速度です。バッテリーに負担をかけないために最後の30分は0.2A程度まで落ちてゆっくりとフル充電を目指します。
5000mAh弱でやっと2つ目のLEDが点滅を始めますので、残容量を示すLEDはリニアではなく1つ点灯すれば半分以上の容量が残っていることになります。充電していてもなかなか2つ目のLEDが点かなかったり、使用しているとLEDがすぐに消灯していって焦りますが充電も放電もリニアに行われていますので心配はありません。
5V1Aですので一般的なモバイルバッテリーから充電することも可能です。いざ本製品のバッテリー残量が0でも手持ちのモバイルバッテリーから充電することもできます。
充電された電力は約7200mAhでした。10000mAhのはずなのにと思うかもしれませんが、モバイルバッテリーは表記の60~70%くらいが相場だと言われています。これはロスなどもありますが、モバイルバッテリー業界の表記上の問題で、他のモバイルバッテリーでも同様です。試しにAnkerの5200mAhのモバイルバッテリーを同様に計測すると4300mAhほどでした。
残量を示すLEDの表示精度はいまいちですが、充電そのものについては至って普通のモバイルバッテリーの性能です。
もちろん一般的なモバイルバッテリーとしてスマホなどを充電できます。
もちろん10000mAhのモバイルバッテリーとしてスマホやタブレットなどを充電することもできます。USBの出力は5V 2.1Aですので一般的な急速充電が可能です。ただし充電で供給する電流値は供給を受ける側が決定しますので接続するスマホやタブレットによります。このあたりも他のモバイルバッテリーと同じです。
ただ、ジャンプスターターとして使用するための回路などが入っていますので、一般的なモバイルバッテリーよりもボディはかなり大きめですので普段持ち歩くには不向きですので、持ち歩き用には別のモバイルバッテリーを用意したほうが良いでしょう。
比較しているのは本製品の倍の容量があるAnker PowerCore Speed 20000 PDです。
この値段であれば保険として常備しておくべきでしょう
いわゆる安価な中華製品ですので懐疑的に見ていたのですが、実際には製品説明に謳われている性能と同等以上のパフォーマンスでした。少し心配ならば安心料として名の通ったAnkerなどの製品をチョイスしても良いと思います。
私は昔からブースターケーブルを常備していたのですが、自分の車のバッテリーが上がった時に人に繋がせてと頼めるかはわからないですし、頼みにくいですよね。平日の朝とかだと出勤中の人に時間取らせる訳にもいきませんし。人を助けるときも車を移動して、、、とするよりもジャンプスターターでスマートに対応した方がカッコいいです。
車に常備しておけば停電や災害時などへの備えにもなります。もちろん車で外出している時にスマホやタブレットに充電したい時にも使えます。備えあれば患いなしです。
この手のアイテムは、用意して「いつでもこい!」とか思っているとなぜかそのトラブルが起きなくなったりするオカルトパワーも秘めていますので、トラブル自体を避ける効果もあるかもしれません(笑)
追記
2023年初頭に満充電を示す4つ目のLEDが点灯しなくなりました。バッテリー容量が少なくなったためか、単にLEDが点灯しないだけか、それとも他の不具合なのかはわかりませんが、ジャンプスタート自体はできています。しかし流石に買い替え時ですね。私の場合は車に置きっぱなし(途中で何回かは充電した)で4年半使えました。その間に出先で1回、朝出勤時1回バッテリーが上がっていて、このジャンプスターターのお陰で助かりました。中華製品もバカにできないものです。
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