Essential PhoneのPD(Power Delivery)が強力でしたので、出先での充電用にPD対応のモバイルバッテリー「Anker PowerCore Speed 20000 PD」を入手しました。充電器やPD非対応のモバイルバッテリーとの充電速度などを比較しながらレビューしたいと思います。
なぜ「Anker PowerCore Speed 20000 PD」なのか?
PowerCore Speed 20000 PDの価格をみてまず思うのは「たか!」だと思います。確かに8,000円は高いです。競合機となるRAVPowerのPD対応モバイルバッテリー「RP-PB059」が6,500円程度で販売されていることのと比べると確かに高いのですが、本製品にはPD対応の充電器が付属しています。
この充電器は単体で2,300円しますので、モバイルバッテリーとしての価格は6,000円を割ります。6,000円でも割高ではあるのですが、PDへの対応は難易度が高いのか製品数も少なく高価です。無名のメーカーであれば更に安い製品はありますが、電源関連はあまり粗悪なものだと最悪火災になりますので、ある程度信頼のおけるメーカーのものが良いでしょう。
PowerCore Speed 20000 PDの重量は360gで、手に取ると数値以上に重さを感じますが20100mAhの大容量を考えればこんなものでしょう。一応「20000mAhのPower Delivery対応モバイルバッテリーで世界最軽量」を謳っています。
40分で50%充電!モバイルバッテリーで高速な充電が可能!
それではAnker PowerCore Speed 20000 PDで実際にPD対応スマホの充電スピードを見てみましょう。スマホはPD対応のEssential Phone PH-1を使用しています。比較対象としてEssential Phoneに付属する純正のPD対応充電器、AnkerのPDに対応していない充電器、同じくAnkerのPDに対応していないモバイルバッテリー(16000mAh)と比較しています。
経過時間(分) | PD ACアダプタ 残量(%) |
PD モバイルバッテリー 残量(%) |
PD非対応 ACアダプタ 残量(%) |
PD非対応 モバイルバッテリー 残量(%) |
---|---|---|---|---|
0 | 3 | 3 | 1 | 1 |
10 | 20 | 14 | 11 | 9 |
20 | 34 | 25 | 20 | 18 |
30 | 50 | 36 | 31 | 27 |
40 | 66 | 50 | 42 | 37 |
50 | 79 | 64 | 51 | 47 |
60 | 89 | 77 | 60 | 58 |
70 | 94 | 89 | 69 | 66 |
80 | 98 | 94 | 77 | 75 |
89 | 100 | |||
90 | 97 | 85 | 83 | |
99 | 100 | |||
100 | 92 | 90 | ||
110 | 96 | 95 | ||
120 | 99 | 98 | ||
129 | 100 | 100 |
計測は電力不足で自動シャットダウンしたスマホに接続して、すぐにスマホを起動させ、電源のログを取るアプリ(スマホ起動時にアプリも自動起動)で計測しています。0分時点の残量が0%でないのはアプリが記録を始めるまでに充電されるからですが、ここでもPDはPD非対応よりも速く充電していることが見て取れます。
モバイルバッテリーですので、コンセントから直に電源供給するPD対応充電器には多少劣りますが、それでもPDに非対応のものとは大きな差です。電力不足で電源が落ちた状態から40分で50%まで充電することができました。ちなみに今回使用した充電器(Essential Phoneの純正)は最大27W出力で、本製品に付属の充電器は最大30W、本製品のモバイルバッテリーは最大24Wの出力が可能です。
なぜか後半の方が充電速度が速くてACアダプタと同等の速度で充電しています。50%くらいになったら早めに継ぎ足し充電するのが効率が良さそうです。数回試してみましたが、何れも同等の値になりましたので、この製品の特性だと思います。
次に充電中の供給電力、電圧、電流値を見てみましょう。まずはPDに非対応のモバイルバッテリーからです。
5V 1.4A(4.83V × 1.46A = 7W)の普通の値ですね。次にPD対応の本製品のモバイルバッテリーの充電値です。
9V 1.6A(8.71V × 1.59A = 14W)で充電しています。どのくらいの電力で充電するかは充電する機器によって異なりますのであくまでも「Essential Phoneの場合」として参考程度にしてください。しかし電力は電圧×電流ですので、電圧が5V固定の従来の充電に比べて電圧を引き上げるPDが非常に有効であることは一目瞭然です。
モバイルバッテリー自体もPDで急速充電できる。
モバイルバッテリー自体も付属の30W出力の充電器でPDの急速充電が可能です。説明にはモバイルバッテリーの充電時間は4時間とありますが、私が試したところ3時間経った頃にはもうフル充電になっていました。ちなみにPD非対応の20000mAhクラスのモバイルバッテリーは充電に半日以上かかります。
当然ですが、この充電器でモバイルバッテリー以外のスマホなどの機器も充電できます。もちろんPDに対応している機器であればPDで充電しますし、非対応の機器であれば通常のUSB充電器として充電します。
あとがき
最近はMacbookなどノートパソコンもPD対応のモバイルバッテリーで充電できるようになってきました。ノートパソコンがモバイルバッテリーで充電できるのは助かりますよね。対応するノートパソコンは持っていませんが(笑)
iPhone 8やiPhone XはPD対応なのですが、肝心のPD対応の充電器(出力30W)が別売りで5000円以上もしますので、iPhone 8、iPhone Xユーザーには特におすすめです。
AndroidもGoogleがQuick Chargeは非推奨、PDを推奨としていますので、今後PDへの対応は進むかもしれません(Quick Chargeがコスト的に有利ですのでわかりませんが)
私の使い方だと普段はスマホがバッテリー切れになるようなことはないのですが、旅行などに行くと経路検索や観光地の情報、バスや電車の暇つぶしなどでいつも昼過ぎにはバッテリー切れになります。そんな時にPD対応のモバイルバッテリーは心強いですね。
旅先でのスマホと7インチタブレットへの追加充電といった、私の用途からは少々容量もサイズも大きすぎるのですが、通常の充電速度だと長い時間バッテリーを繋いだまま使うようなことになってしまいますので、やはりこの充電スピードは魅力です。いつかはMacbookも欲しいと思っていますので、その時にも役に立つでしょうしね。
何れにしても私のような心配性には「これを持っておけば安心」という、おすすめのアイテムです。
ではまた!
PS 先日、任天堂公式ライセンス品として13400mAhのAnker PowerCore 13400 Nintendo Switch Editionが発売されました。ライセンス料を支払うためか割高であること、出力が22.5Wと少し少ないこと、充電器が別売りであることを折り込めればこちらの方が100g軽量(260g)ですので、こちらも良いかもと思います。しかし同製品の20100mAh版はやたらと高価な上に充電器も付属していないのでご注意ください。
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