8月6日にGoogleより正式発表されたばかりの新Android OS「Android 9 Pie」が、8月7日に早くもEssential Phone PH-1に配信されました。今回はAndroid 9 Pieの主な新機能をEssential Phone PH-1にて紹介したいと思います。
Essential Phoneの一つの売りに「ピュアなAndroidであるために新OSへのアップデートが早い」というのがあったのですが、Android 8 Oreoへのアップデートは結構遅めでした。なーんだと思っていたのですが、汚名挽回とばかりに神速でAndroid 9 Pieにアップデートしてきました。
最初はいつものセキュリティアップデートかと思えばAndroid 9 Pieの文字が。こんなに早くアップデートされるとは思っていなかったので、思わず二度見してしまいました。
ジェスチャーナビゲーション
従来のAndroidにはモニタの下部に「戻る」「ホーム」「タスク」ボタンがあったのですが、タスクボタンがなくなりました。代わりにボタンの表示エリア上で上にフリックすると従来のタスクボタンを押した状態になります。
そして新たに右にフリックするとアプリの選択を飛ばして「前に開いていたアプリに戻る」ようになりました。これで「戻る」ボタンでは使用中のアプリ内での前の画面、「右フリック」で前のアプリへ戻るというように使い分けができます。
ちなみに左フリックと下フリックはなにも起こりません。これらの上下左右のフリックに任意の機能を割り当てることができるようになると良いですね。きっと将来的にはそうなるでしょう。
ベータ版では「戻る」ボタンがなくなっていてようですが批判的な意見が多かったようで、少なくともEssential Phone PH-1では「戻る」ボタンは残されています。
Android 9 Pieからと言うわけではありませんが、アプリの選択画面のアイコンを長押しする(従来はタスクボタンを長押し)ことで画面を分割してTwitterのタイムラインを流しながらブラウザでウェブサーフィンを楽しんだりすることができます。ブラウザの情報を見ながらメールを打ったりなど画面分割は意外に重宝します。
画面をワンタッチで手動回転
画面の自動回転機能はずっと昔からありましたが、寝転がった時などに意図せずに横向きに切り替わったりするので、ほとんどの人がOFFにしていると思います。一部のアプリはアプリが独自に制御して横向きにしてくれたりもしますが、例えばYoutubeなどは横向きにしても縦向き用の画面が維持されます。
このような時には従来であればいちいち自動回転機能をONにしないといけなかったのですが、Android 9 Pieからは、横向きにするとタスクボタンがあった位置に回転ボタンが表示され、これをタップすることでワンタッチで任意に画面の向きを変えることができます。
地味ですがグッドなアップデートだと思います。
通知パネルや設定画面のデザイン変更
通知パネルのデザインや設定画面のデザインがガラッと変わりました。機能的にはどうと言ったことはないのですが、デザインが一新されると新しい端末になったような感じがして気分一新です。デザインを重視する私としては大切なことだと思っています。
公式ではメッセージなどの通知への表示がリッチになったと言う話ですが、SMSでは画像は送信できませんし、格安SIMはMMSには対応していませんので違いは感じません。しかしOSが提供するAPIがリッチな通知をサポートしたということでしょうから、今後メールアプリなどが対応することで通知が賑やかになっていくのではと思います。
AIによるバッテリー節約機能
アプリの使用頻度などを機械学習してアプリへのリソースの割当をコントロールするAIが搭載されています。クラウド上のリソースに頼らずに端末内だけで機械学習の処理を完結するのは初めてらしいですが、逆を言えばスマホに搭載できる程度のアルゴリズムだということでしょう。
実際に数日間バッテリー残量を気にしていましたが、気持ち良くなった?という感じで、正直なところ以前と変わった感じはしませんでした。もともとAndroidはバックグラウンドのリソースの制限や開放の制御はありましたし、使っている時のバッテリー消費はどうしようもありませんので、なにかハードウェア的なブレイクスルーでも無い限りは、この期に及んで大幅に効率が向上することもないでしょう。
使い方に応じてアプリを提案してくれる「APP Actions」「Smart Linkify」
これもAI系の技術でしょうか?「APP Action」は状況に応じてアプリを提案してくれるそうです。いつも通勤中に音楽を聞きながら電子書籍を読んでいれば、それを学習してアプリドロワーなどを開いた時などにプレイヤーアプリや電子書籍リーダーを優先表示するような機能のようですが、現在はまだ未実装のようで少なくともEssential Phoneでは表示されません。
「Smart Linkify」はテキストを選択した時に、そのテキストに応じてコンテキストメニューにアプリが表示される機能のようです。例えば歌手の名前を選択するとSpotifyアプリが表示されたりするそうですが、これもまだ未実装のようで実際に公式サイトで紹介されているTaylor Swiftを選択してみましたが、Spotifyアプリは表示されませんでした。
これらの提案系アプリは有料サービスのコマーシャルに使われたり、正直なところ余計なお世話と感じることが多いので鬱陶しいことにならなければと思います。
Wi-Fiの自動ON
Wi-FiをOFFにしていても自宅などの「保存したネットワーク」であれば自動的にONになって接続するという機能です。実際に外出中にOFFにしてみましたが帰宅するとONになって接続していました。
「接続はするけどWEBでの認証が必要」のような一部の公衆Wi-Fiに勝手に接続してインターネットに接続できないようなケースがありますので、そのような時にはWi-FiをOFFにする必要があるのですが、そのまま忘れてたというケースで役に立ちます。
その他アプリ側の対応が必要だったりするけど、将来的に期待できるもの
「Slice」は何かを検索する時にネットやOSが管理している情報だけではなく、アプリ内のデータへも検索が及ぶ機能です。例えばEvernoteないのメモもAndroidの検索の対象になったりです。しかしこれは当然ながらアプリ側が情報をOSに開示しなければなりません。正確にはOSがアプリ側に「こんなワードで検索してんだけど?」と聞くことになると思います。もちろん現時点では上で例としたEvernoteも含めてアプリが対応していませんが、将来的には有用な機能でしょう。
「ML Kit」は機械学習の標準APIです。これもアプリ開発者がどのように活かすのか?が鍵でOSがその機能を提供しますよということです。
また従来は各アプリが独自に実装していた指紋認証機能も標準のAPIや画面が提供されることになりました。アプリ開発者の負担はかなり減るでしょう。
セキュリティ関連の強化とデジタルウェルネスへの対応
スマホのカメラやマイクが知らない間に作動して情報を取得しているのでは?というのはよく言われていることです。最近ではFacebookの盗聴疑惑が話題になりました。実際にはそんなことをすれば特定のサーバーへの通信量が不自然に増えるのでバレる可能性が高く、そんなリスクは犯さないだろうと思いますが。。。しかし人は疑心暗鬼になるもので、そんな不安を払拭する為にバックグラウンド動作中のアプリがマイクやカメラへのアクセスを制限したり、通話記録にアクセスしようとするとユーザーの確認を得るようになるセキュリティー機能が組み込まれます。WindowsのUACのように鬱陶しいことにならなければ良いのですが。
デジタルウェルネスはいわゆるスマホ中毒を防止するための機能で、使用時間を制限したりするものです。まだ未実装ですが余計なお世話ですね。
あとがき
Android 9 Pieの注目点は、個人的にはジェスチャーによるナビゲーションと画面の手動回転ボタンの実装の2つかなと思います。ジェスチャーはまだ中途半端感じですが、空いている下と左フリックに任意に機能を割り当てることができるようになると面白いかなと思います。
Android 9 Pieは何を慌てているのか未実装の機能が多いのにフライングで配信された感が強いですね。スマホ用のOSももう成熟してきてAIなどの新しいトピックを取り込んでいく方向なのだと思いますが、正直AI、AIと言っても大したことないなぁというのが個人的な感想です。もっとなにか大きなブレイクスルーを期待したいところです。
ではまた!
Essential Phone PH-1 記事まとめ |
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