最近めっきりテレビを見なくなってしまったのですが、たまたま見ていた時に流れたトヨタ86のCMであの頃を思い出しました。
向こうの方からピンぼけのまま車が走ってきます。軽快なエンジン音からスポーツカーであることがわかります。一応バックミュージックは流れていますが主役はエンジン音です。「走れ、」と。
車の魅力をシンプルにアピールした物凄く良いCMだと思います。トヨタ車のCMと言えばタレントが出てきて、車が主役なのかタレントが主役なのかわからないCMが多いのですが、久しぶりに心躍りました。
「心躍った」のにはもう一つ理由があります。86のCMを見た瞬間にある車の古いCMが頭にうかんだからです。
86のCMのエンジン音は大排気量ターボにしては明らかに音が軽すぎるのですが、この初代NSXのCMと似ていたので「新型NSXのCMだ!」と思ってしまいました。それにしても乾いたVTECサウンドが素晴らしい。
NSXのCMのyoutubeのタイトルに「2000年」とありますが、これは初代NSXが発売した1990年に流れたCMです。非常に厳しい時代で「若者を煽る」と行政からいちゃもんを付けられるのでこのCMは深夜に流されていました。深夜に初めてこの美しくも躍動感のあるCMを見た私はしばらく放心状態になったものです。未だになんとも言えない思いがこみ上げてきます。
当時私は大学生(歳モロバレ)で、ホンダはセナ・プロストコンビでF1グランプリ16戦中15勝という無敵っぷりを発揮していた時でした。私はホンダの狂信者となり、バイトして買った初代CR-X(バラードスポーツ)を手始めに、2代目CR-X(サイバースポーツ)、初代シビックTypeR、初代インテグラTypeRと乗り継ぎました。今はRX-7に乗ってますけどね(でもRX-7よりもS2000の方がずっとピュアスポーツだと思います)
そんなホンダですが、創業者の本田宗一郎氏が亡くなったからなのか、不況が悪いのか「ドキドキしない」自動車メーカーとなってしまいました。別に軽自動車やミニバンに力を入れるのは良いのです。元々ホンダはシビックで屋台骨を支えて大きくなったのですから。でもそれだけではホンダではなくなってしまうのですよね。
今ホンダのホームページのラインナップを見ると誇らしげに新型NSXが並んでいますし、去年デビューしたS660もいます。しかし「スーパーカーか軽自動車の二択かよ」と思う訳です。
下は新型NSXのPVです。置物じゃないのだからもっと「走り」をイメージさせて欲しかった。
ちなみに皆さんホンダの社名って知ってます?「本田技研工業」です。トヨタは「トヨタ自動車」、日産は「日産自動車」ですが、ホンダは「技研」なのです。我々の本田技研の復活を待っています。
トヨタは昔は嫌いだったのですが、今の社長になってからは凄く良い感じに思います。ホンダもそうですがやっぱりトップの影響って大きいのですね。86やBRZは実に素晴らしい車だと思います。若者の経済状況が良くないので結局若者が新車で買うにはハードルが高いのですが、中古車が潤沢に出回り始めた今からが本番です。
日産の偉い人は86とBRZを「中年用の車じゃないか。うちはあんな車は作らないよ」とこき下ろしたようですが、日産がどんなに素晴らしいスポーツカーを作るのか楽しみですね。もちろん若者が購入しやすいように86やBRZより安価で出すのですよね?中年用じゃないんですもんね?(私は中年ですが)期待してますよ!
「うちはあんな車は作らない!」 日産の副社長が「BRZ」と「86」をこき下ろす – autoblog
なにか取り留めのない話になってしまいましたが、86のCMを見て色々な感情がこみ上げてきて書きなぐってしまいました。
ではまた!
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