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小島監督とメタルギアとコナミの話

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もうかなりアチラコチラでニュースになっているので皆さんご存知だと思います。メタルギアシリーズで有名な小島監督がコナミを辞めた話です。個人的に色々と思う所もありますのでちょこっとだけまとめたいと思います。

私もメタルギア大好きです。メタルギアの1作目は1987年にMSX2で発売されていますが、私もMSX2でプレイしました。それからずっと新作が出る毎にプレイしていますが、実は最新作の「メタルギアソリッドV ファントムペイン」だけまだプレイしていません。予算的にPlayStation4をまだ購入できていないのが理由ですが、そもそもファンとして購入しても良い物か?「コナミに利益を与えるのか?」「最後の小島メタルギアだぞ?」と軽く葛藤もあります。まぁ結局のところPlayStation4を購入できたらすぐにプレイするわけですが。

小島監督とSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)

そんな小島監督ですが、コナミの新社長就任の前後くらいから不穏な話が聞こえてくるようになりついに

それと時同じくしてこんな動画が公開されました。

公表内容はあくまでも、「新しいコジマプロダクションの第1作をPlayStation4用タイトルとして独占契約した」ですが、コジマプロダクションの設立にSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)が後ろ盾となった事は想像に難しくありません。小島監督がどうこうと言うよりは「SCEやるな」と思いました。

コナミが悪者?

一方コナミですが、こちらは感情的になって下手をうっているように見えます。特に決定的にマズいと思ったのは、ゲーム業界のアカデミー賞と言われる「THE GAME AWARDS 2015」への小島監督の出席を禁止した事です。こんなことをすれば反コナミに燃えるファンに油を注ぐ事になるのは明白です。「コナミが悪い」「コナミがクソ」と、今回の小島監督退社の一件は、コナミが一方的にぶち壊した印象を決定付ける事になってしまいます。「コナミ 小島」で検索すると、コナミを批判するツイートやブログで溢れかえります。もし社内戦略で揉めたとしても表面的には円満退社を演出して「方向性が一致しなくなりました」とかそれっぽい感じでサラっと流すのが賢い大人の対応です。
結果的に「社内での行き過ぎた社員の監視」「徹底した外部との断絶」などいらんことまで話題になってしまい、更にイメージダウンする事になってしまいました。これからソーシャルゲームの時代だ!と言っているのにソーシャルの力を舐めすぎです。

【悲報】日経新聞がコナミの残酷な内情を暴露するも3回もタイトルが変わって「圧力か!?」と大騒ぎに – netgeek

この件に関してはテレビや新聞などのメディアだけでなく、ネット上の大手のブログでもほとんど取り上げられておらず、皆コナミを恐れているのだなぁと想像できます。

さて、それでは「全てコナミがクソ」なのでしょうか?ここからは完全に私の推測ですが、コナミ社内でのコジマプロダクションはかなり特別扱いされていたようです。前述のブラックな体制もコジマプロダクションは例外として扱われていたそうです。小島監督がどのようなお人柄なのかもちろん知りませんが、普通に考えれば多少なりとも増長して当然だと思います。そんな状況で自分の考えるのと異なる方向へ事が進めば感情的になるのではないでしょうか。

「予算を使いすぎるコジマプロダクションのやり方はたとえ儲かるとしてもリスクが高い。今はソシャゲが儲かるのだからそちらに力を入れるべき」会社としてそう考えるのはおかしな事ではありません。そんな流れになれば先に感情的になるのは小島監督の方ではないかと思うのです。で、会社(社長や他の経営陣)に噛み付いて会社側も感情的な対応で返してしまったと。結果的に小島監督は独立して好きなことを続ける体制を作る事ができましたが、コナミは大きくイメージを落とす事になってしまいました。コナミはコナミが考える経営戦略的には小島監督必要ないという考えなのですから、たとえ心の中では「くたばれクソが」と思っていても「方向性が一致しなくなってしまって残念ですが、今までありがとう!これからも頑張ってね!」と穏便に円満退社を演出しておけば良かったのです。

個人的にはどっちもどっちだったんじゃないかな?と推測するわけですが、コナミがあまりにも喧嘩が下手くそだったと言うところは満場一致だと思います。

事の顛末は下の記事が時系列でわかりやすくまとまっていると思います(大手サイトですのでコナミのアレなところはあまり触れず無難に書いてありますが)

幽閉されたゲームクリエイター小島秀夫氏にこの1年何があったのか – GIZMODE

結局コナミの方針はどうなの?

結局のところコナミの「ソシャゲに舵を切る」という経営戦略はどうなのでしょうか?古くからのゲーマーである私たちは、新コジマプロダクションとSCEが大成功し、コナミが大コケして「ざまぁwww」という展開を望む訳ですが、、

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第2四半期決算発表資料 ? KONAMI 決算発表資料

これはコナミのサイトで公開されているIR情報です。特に利益率の伸びは驚異的です。
更にこの1年の株価です。
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コナミホールディングス (9766) – SBI証券

株価は市場自体が盛り上がっているという側面はありますが、これらの数字を見る限りはコナミの戦略は少なくとも短期的には上手く言っていると言わざるおえません。新社長もドヤ顔になるのはしょうがないところです。
ソーシャルゲームはとかく我々古くからのゲーマーには馬鹿にされがちですが、私のTwitterのタイムラインには「グランブルーファンタジー」にいくら課金したとかのツイートで溢れていますし、私自身、今年もっともプレイしているゲームは「艦これ」です。艦これは少し毛色が違いますが、他のソーシャルゲームは言ってしまえばシステム的に大したことないカードゲームなのにイベント毎にみんなが何千円、何万円とガチャを回してくれるわけです。100億円で開発してみんなが一度1万円払っておしまいなゲームと比較すれば、利益率は段違いであるだろうと素人でもわかります。メタルギアソリッドVは95億円で開発して200億円以上売り上げているので大成功だと思いますが、制作費が巨額なだけに失敗した時のリスクは大きな経営リスクでしょう。

ただし長期的にみてコジマプロダクションというカリスマまで得た名前を手放してしまった結果がどうなるのかは誰にもわかりません。

あとがき

コナミと言えば、我々おっさんゲーマー的にはセガ、ナムコと並ぶ思い出の3大ゲームメーカーです。コンシューマゲーム自体が絶滅危惧種な訳ですが、そんな中で気を吐いていた「コナミのコジマプロダクション」が、こんな形になったのは非常に残念ですが、生涯現役と宣言する小島監督のようなクリエイター達によってまたあの頃のワクワクが返ってくるのを期待して待ちましょう。

Source : コジマプロダクション  SBI証券  コナミホールディングス株式会社