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【強度は?】溶接はできないけれど、はんだ板金で思ったよりもイケる!!【やり方】

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車をDIYでいじる人なら、ちょっとしたステーを作るときなどに溶接できたらなぁと思ったことがあると思いますが、溶接は機材が数万円と少々お高いですし、賃貸の駐車場でバチバチと火花を散らせるわけにもいきません。しかし、世の中には、はんだ板金という安価で簡単な方法があるのです。

「はんだ」と聞くと基盤にICチップなどを実装したり、配線の接続などに使用するイメージしかわかないですよね。しかし、はんだ板金というものがあるのです。金属同士をはんだで接合したり、穴をふさいだり、へこんだボディに、はんだでステーをくっつけてスライディングハンマーでひっぱり出したりします。

必要なものも安価で、出力の高い板金用の「はんだこて」や、板金用の「はんだ」があれば出来てしまいます。板金用はんだは、少量の20gのものがさらに安価ですが、全然足りなくて、泣く泣く作業中断して150gの本品を追加注文しました。

細々したものとしては、はんだこてを置く「こて台」や、金属がはんだを弾きにくくするフラックスくらいです。

こんな感じで、2,000円とか3,000円とかの出費で金属と金属を接合することができます。基本的には、はんだを溶かして接着剤のようにしてくっつけますので、溶接のように「下手くそだと鉄板に穴があいてしまう」といったこともありません。はんだこてで熱を加えて剥がすこともできます。

板金用はんだによる金属接合のやり方

では、実際に板金用はんだによる金属の接合のやり方を解説します。まず、今回使用する金属板はこちらです。Amazonで探して比較的安いものをチョイスしました。後述する愛車の修理にも、この金属板を使用しました。

金属板は0.5mm程度の厚さであれば、金切りばさみで簡単に切ることができます。

まず、60番とか80番とかの荒い紙やすりで表面を磨きます。

これには2つ意味があって、1つは「表面の付着物を削り取って金属の地を出す」ことです。はんだは金属にしか付きませんし、表面に塗装などが残っていると、せっかく付けたはんだが塗装ごとボロっと剥がれてしまうからです。2つ目は「深い傷をつけることで表面積を増やして密着性を上げる」ことです。いわゆる足付けというやつです。今回の金属板は亜鉛メッキでコーティングされていますので、しっかりと削り落とします。

そして、接着面にフラックスを塗ってから、はんだを溶かして塗りつけていきます。フラックスとは素材がはんだを弾きにくくする薬品です。

この大きさの金属板に100Wクラスのはんだこてだと、金属板自体もチンチンになりますので、素手では触らずにラジオペンチなどで保持してください。

はんだを塗ったら、溶けている内に接着する素材に押し付けます。慌てなくても100Wクラスのはんだこての熱で溶けたはんだは、しばらくはドロッとしています。さらに金属板の上からはんだこてを押し付けることでも熱が伝わり、はんだを溶かすことができます。

はんだこてを離して、はんだが冷えて固まるには少し時間がかかりますので、ラジオペンチで数十秒くらいは抑えておいたほうが良いです。慌てずにフーフーと冷ましながら少し待ちましょう。最後にまわりに、はんだを流してダメ押しします。

このサンプルは見てくれは悪いのですが、はんだは簡単に削れますので、ヤスリで整えて、防塵剤を塗り、刷毛ででも塗装しておけば良いでしょう。

ここまですると、かなりの高強度で、手で思い切り引っ張ったくらいでは剥がれません。それもそのはず、へこんだボディに、はんだ板金でステーを付けてスライディングハンマーでへこみを引っ張りだすくらいですので、かなりの強度があります。はんだでの接合は、はんだを溶かして接着剤とする訳ですので、鉄自体を溶かして接合する溶接に比べると、強度では劣ります。それでも、かなりの強度が得られますので、破断すると致命的な事態となる箇所でなければ十分に使っていけます。

実際に愛車の修理!

愛車のRX-7(FD3S)は、フェンダーにバンパーを固定するステーがとても弱く、リップを当てると引っ張られて簡単に千切れてしまいます。このステーをどうしたものかと長年、頭を抱えていたのですが、はんだ板金で金属板から切り出したものを、前後から挟み込む形で貼り付けて、がっちりしたステーを再建することができました。

ついでに裂けていたフェンダーの断面にも補強を入れました(フェンダーはこのあとパテで成形して塗装する予定です)

ちなみに、はんだ付けは両手を使いますので、このように垂直に近いような箇所の場合には、素材を固定するのにロッキングプライヤーが便利です。ロッキングプライヤーはかなり強力に挟んで保持することができますので、1つ持っておくととても便利です。


試してはいませんが、はんだ板金はアルミやステンレスも接合できるようです。実際に私が購入した、はんだや、はんだこてはステンレス対応を謡っています。いつかは溶接もしてみたいと思いますが、当面はこの「はんだ板金」で用は足りそうです。簡単で場所を選ばず、なにより安価なのが良いですね。